NEWTONY に自作レデューサーを取り付けた、合成F3.2(fl=160mm)にQHY5III485Cで電視観望を行います。今回の焦点は、160mmの焦点距離で追尾なし固定のシステムでどれぐらいまで露出時間を延ばせるか、です。
IMG_2876
架台にはZERO経緯台を使っていますが、NEWTONYごときの重量だとビクともしませんね(笑)。完全にオーバースペックです。

ま、それはさておき、自作0.8×レデューサーの星像から見てみます。まずは視野中心部の拡大。
tyuuou hosizou
(この星はM104ソンブレロの近くにある「例の」特徴的な並びのやつです)
微光星はQHY5III485Cの2.9μmピクセルの3~4個分、星像9~12μmというところでしょうか? 球面鏡にしては、まあまあの鋭像と言えますね。ひょっとしたら中央遮蔽が大きい分少し球面収差が減っているかも知れません。

続いてこのアステリズム(?)を視野の右上スミに持って行って・・・
mig9iue hosizou
あ―何か面白い形になりましたね。ギロンの手裏剣でしょうか(笑)
ギロン2
この形になる原因が良く分かりませんが、コマと像面湾曲と中央遮蔽の影が相俟って・・・って感じでしょうか? とは言うものの、この星像もそれなりに小さく、さらに視野(4.0°×2.5°)の7割方はピンポイント気味なんで、レデューサーはこれで良しとします。

まずは、アンタレスとその横の球状星団M4。
1秒露出 Gain50 100stack ノーフィルター
m3 1s gain50 100stack
ファインダーも何もないのですが、アンタレスという明るい目標があるので、フリーストップのZERO経緯台を振っての導入はそれほど難しくはありませんでした。
しかし、100秒、わずか2分足らずでこれくらい視野がブラックアウトしますね。それなりの視野を得るには、ライブスタックによる合成も3分ぐらいが限界でしょうか?

M4の部分を拡大してみます。
m3 1s gain50 220stack
うーん、1秒露出だと何とか点に写ってますかね。

もうちょっと拡大して、0.5秒、1秒 のそれぞれの露出で見てみると・・・
M16 0.5秒
m16 0.5s gain50 48stack
M16 1秒
m16 1s gain50 96stack
あー、やっぱりダメか。1秒でも流れますね。

2秒にしてみると(M17)
m17 2s gain50 80stack
もうこのように盛大に流れてしまう。QHY5III485Cの感度では1秒露出ぐらいだと暗い部分全然写らないからちょっと厳しいかな・・・
まあ、拡大せんかったら2秒露出の星像の流れもあんまり目立たないのですけどね。
M8,20 2秒露出 Gain50 41Stack ノーフィルター
m8,20 2s gain50
いや、そうでもない、やっぱりバレるか(笑)

しかし、この日はPM2.5の影響(?)で透明度が非常に悪く、露出時間が短いのを割り引いても、普段以上に写らなかったです。まあ、仕方ないですかね。

というわけで大変残念ながら

NEWTONY F3.2(fl=160mm)による、追尾なしの固定電視観望は厳しい

という結論に達しました。次回は、AZ-GTiによる追尾付き電視観望にて、もっと露出時間を延ばし、NEWTONY F3.2の電視観望におけるポテンシャルを探ります! まだ終わらんよ!