ASI482MC対応? で更新が非常に頻繁になっている最近のSharpCapですが、10月7日にSharpCap4.0.8218がリリースされているのを発見、即刻ダウンロードし電視観望をおこなっております。

使用光学系はSP140SS改、14㎝F3.1 シュミットニュートン、架台はAZ-GTiです。
この日は月はなかったですが、透明度は中くらいで肉眼での限界等級は2等程度、ただし気流は安定しておりシーイングはよさそうでした。

さて、前回まで482のGainは450を常用としていたのですが、今回の8218では450でやりますと
M31  Gain450 4秒露出 40スタック ノーフィルター
M31  Gain450 4秒露出 40スタック ノーフィルター
思いっきり階調が飛んでしまいました。仕方がないのでGainを少しずつ下げ、300ぐらいが落としどころかな? と。
M31  Gain300 4秒露出 32スタック ノーフィルター
M31  Gain300 4秒露出 32スタック ノーフィルター
おい、ちょ待てよ!
何ですかこれ、わずか4秒露出ですよ。482の野郎、突然高感度CMOSみたいな挙動を示しているぞ!

一体何が? これはSharpCap最新バージョンの仕事なのか?
M33  Gain300 4秒露出 243スタック ノーフィルター
M33  Gain300 4秒露出 243スタック ノーフィルター
やっぱりそうや! これまでと違うのはSharpCapのバージョンのみ!

NGC253  Gain300 4秒露出 174スタック ノーフィルター
NGC253  Gain300 4秒露出 174スタック ノーフィルター
メジャーな銀河のディーテールが次々と表現されていきます。この日のシーイングの良さが解像度にも出ていますね。

唯一の不満と言えば、まだホットピクセルの暴れが散見されることくらいでしょうか。
ホットピクセル
ただし、以前よりかなり少なくなってもいますので、将来は払拭されると思います。

視直径のそんなに大きくない銀河もそれなりに。
NGC891  Gain300 4秒露出 143スタック ノーフィルター
NGC891  Gain300 4秒露出 143スタック ノーフィルター
M74  Gain300 4秒露出 418スタック ノーフィルター
M74  Gain300 4秒露出 418スタック ノーフィルター
NGC1023  Gain300 4秒露出 48スタック ノーフィルター
NGC1023  Gain300 4秒露出 48スタック ノーフィルターNGC1300  Gain300 4秒露出 130スタック ノーフィルター
NGC1300  Gain300 4秒露出 130スタック ノーフィルター
衝撃のファーストライトから苦節一か月(笑)、ついに仕事をし始めたASI482MCのインプレを皆さんにお届けすることができ、感無量ではあります。

銀河祭りをやっている間にオリオン座も昇って来たようです。
馬頭星雲  Gain300 4秒露出 319スタック ノーフィルター
馬頭星雲  Gain300 4秒露出 319スタック ノーフィルター
これはけっこうカラフルに行けましたね!

M78  Gain300 4秒露出 234スタック ノーフィルター
M78  Gain300 4秒露出 234スタック ノーフィルター
これも渋い!

というわけで・・・
M42  Gain300 4秒露出 130スタック ノーフィルター
M42  Gain300 4秒露出 130スタック ノーフィルター
これはすごい! 実は今まで電視観望において、M42とランニングマンの間にここまでガスの流れを表現できたことはありませんでした。

CMOSをASI294MCに差し替えて見るとこんな感じ。
M42  Gain500 4秒露出 15スタック ノーフィルター ASI294MCM42  Gain500 4秒露出 15スタック ノーフィルター ASI294MC
これも悪くないですが、どうでしょう、僅差で482の勝利とは言えないでしょうか?

そこでついにあのフレーズを言う日がやって来たかも知れません。

ASI482MCはおそらくASI294MCより少し感度が高い。

ただし、ちょっとよく分からない挙動もあって、ノーフィルターでこんなだからQBP入れたらもっとコントラスト凄いんじゃない? ってやってみたところ
M42  Gain300 4秒露出 25スタック QBPフィルター
M42  Gain300 4秒露出 25スタック QBPフィルター
単に利用周波数帯域が限られて暗くなったしまっただけでした(笑)。デュアル・ナローバンド使用の場合はもっとたっぷりと露出をかけないといけないんでしょうね。しかしそれだと「時短」を損なうしな・・・

ちなみに馬頭も同様
馬頭星雲  Gain300 4秒露出 27スタック QBPフィルター
馬頭星雲  Gain300 4秒露出 27スタック QBPフィルター
これらの結果から、ASI482MCについては暫定的にGain300、4秒露出、ノーフィルターが常用、という感じで現状の運用は固まったでしょうか。月があるとまた条件は違ってきそうですが。

あといくつか見てます。
ばら星雲  Gain300 4秒露出 35スタック ノーフィルター
ばら星雲  Gain300 4秒露出 35スタック ノーフィルター


M45  Gain300 4秒露出 61スタック ノーフィルター
M45  Gain300 4秒露出 61スタック ノーフィルター
M1  Gain300 4秒露出 185スタック ノーフィルター
M1  Gain300 4秒露出 185スタック ノーフィルター
やはりいずれの対象でも高感度CMOSの雰囲気は出ていると思います。

というわけで、今後のASI482MCの性能がどうなるかは

SharpCapの開発に依存する

ということがわかってきました。それですとまだまだ向上する余地がありますので今後も楽しみですね! さらにZWOのASIDRIVER更新によって大どんでん返しもあり得るかも!

ふーう、ようやく楽しくなってきましたよ(笑)