先日から信じられない頻度での更新が進むSharpCap4.0、こないだ10月11日に更新された8244のレポートをしたばかりだというのに1週間後には10月18日にはもう次のバージョン、8264が出ています。

仕方がない、次の日仕事だし今日はやる予定はなかったのですが急きょセッティング(笑)
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もうこの検証の使用光学系はSP140SS改、14㎝F3.1 シュミットニュートン、架台はAZ-GTiと決まっています。

本日は、雲が多め、しかも月齢14で限界等級も2等見えるか見えないかでした。
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このように、あまり良い条件ではなかったのですが、あえて「ノーフィルター」で臨んでみました。

とにかく雲が通り続けて晴れ間が限られていたのですが、一瞬のチャンスでNGC891を捉えます!
NGC891 Gain300 4秒露出 50スタック ノーフィルター
NGC891 Gain300 4秒露出 50スタック ノーフィルター
どうやっても月の光が鏡筒内に入るみたいで、バックグラウンドにカブリムラが出るのですが、中央拡大でできるだけ目立たなくしています。満月近くのノーフィルターでこれならまずまずと言えるでしょうか。ホットピクセルもないですね。

この後NGC891も雲に呑まれ、西の方が晴れてるかな? で網状星雲。

網状星雲 Gain300 4秒露出 31スタック ノーフィルター
網状星雲 Gain300 4秒露出 31スタック ノーフィルター
ただし、輝線天体はやっぱり月明りでコントラスト上げられないですね。さすがにフィルターが必要な印象。

輝度の高いM27でも同じような傾向でしょうか。
M27 Gain300 4秒露出 30スタック ノーフィルター
M27 Gain300 4秒露出 30スタック ノーフィルター
まあ、写ってることは写ってるのですが、階調があんまり豊かではないです。

さて、前の8244の時からホットピクセルはほとんどなくなっていたのですが、観望途中で4~5℃くらい温度が下がったりするとたちまちダークが合わなくなるため、頻繁にダーク更新を強いられるのがかなりの手間になっていました。しかし、今回8264では数℃程度の気温低下では同じダークがずっと使えるんですね。これはASI294MCなど他のCMOSカメラでは割かし当たり前のことなのですが、482では今まで出来てませんでした。かなり使いやすくなったと言うか、やっと人並みになったと言うか(笑)。

と言うか、もともとダーク引いたにもかかわらず出るホットピクセル自体がASI482MCの欠点と言うより、SharpCapのバグだったみたいで、ダーク減算後のホットピクセルなくなって喜んでたのも単にマッチポンプやられただけだった疑惑も出てはいます(笑)

で、今日はノーフィルターだしやっぱり連続スペクトル天体行ってみよう。
M31 Gain300 4秒露出 40スタック ノーフィルター
M31 Gain300 4秒露出 40スタック ノーフィルター
やはりノーフィルターのフルバンドが生かせるこういった天体の方が有利ですね。

さて、次にM33ですが、これは淡いから露出を長くしようかな、とおもってふと思い立ちました。

4秒露出で撮ったダークを16秒露出に使いまわしてみては?

と。

M33 Gain300 16秒露出 40スタック ノーフィルター 4秒のダーク
M33 Gain300 16秒露出 40スタック ノーフィルター 4秒のダーク
お! 合ってる! ホットピクセルが現れないぞ! これは露出を4倍にしても同じダークが使えるということで、対象によって露出を変えたいときなんかには楽ですね。なるほど、これが今回最大のデバッグなのか?・・・まあマッチポンプでも何でもいいや。最重要なのは現場でのパフォーマンス。

NGC253 Gain300 8秒露出 50スタック ノーフィルター 4秒のダーク
NGC253 Gain300 8秒露出 50スタック ノーフィルター 4秒ダーク
よーし、当たり前だけど8秒露出も行けるね!

まあ、こんなことしながらも雲の襲撃をうけることもしばしばで、常に今晴れてる場所を探しての電視観望(笑)
kumo
南側が晴れててNGC1300行けそうなので行ってみます!

NGC1300 Gain300 8秒露出 123スタック ノーフィルター 4秒のダーク
NGC1300 Gain300 8秒露出 123スタック 4秒のダーク
この天体の写真を理科図表で見たことが天文を始めるきっかけになったかもしれないです。馬頭星雲とか亜鈴状星雲が美しいカラー写真で乗せられてる中、この1300だけが「モノクロ写真」で一番画質悪く載っていて(笑)、逆にマニアックでナンバーワンに神秘的な天体に見えたものです。今でも自分の中では特別な存在ですね。

さて、ダークの使用について進歩がありSharpCap更新の手ごたえも得られましたので、この日は昇って来たばかりのM42を最後に切り上げることとします。

M42 Gain300 8秒露出 30スタック ノーフィルター 4秒のダーク
M42 Gain300 8秒露出 30スタック ノーフィルター 4秒のダーク
これ、M42の写りとしては今一つなのですが、ベランダから見える電線の隙間を狙うという「極低空」で撮っているので、それにしては良く写っている、というオチで本日は終了!

何だか、SharpCap更新のたびに検証を行わないといけない義務感みたいなものが出てきて少ししんどくなって来ました。耐久レースじゃあるまいし、そろそろ「決定版」を出してくれないかなあ・・・(笑)