CometBPフィルターを使うと明るい星が少し肥大してしまう原因を探って見ました。
鏡筒はSVBONY SV503 70ED(クローズアップレンズNo4によるレデューサーで合成fl=365mm 合成F5.2仕様)、架台AZ-GTi、CMOSカメラはASI294MC、SharpCapによる電視観望で子の検証をおこないます。
この日は月はないのですが、透明度がやや悪く雲も多かったです。
対象は星像の肥大が分かりやすいM45プレアデス星団。まずはCometBPフィルターにて。
M45 16秒露出 22stack Gain390 CometBPフィルター
M45 16秒露出 22stack Gain390 CometBP+UV/IRカットフィルター
CometBPフィルターをQuadBPフィルターに交換し、青成分をカットしてみます。
M45 16秒露出 22stack Gain390 QuadBP+UV/IRカットフィルター
ここで、UV/IRカットフィルターを外し、QuadBPフィルター(Ⅱ)がわずかに透過する赤外成分のピンボケを見てみます。
M45 16秒露出 22stack Gain390 QuadBPフィルター
まあ、ASI294MCは4/3”なのでそんなに画面を拡大せずともよく、正直これぐらいのピンボケは目立たないのでこのままでも電視観望での実用性はあるかも知れません。
そのままQuadBPフィルターのみでM31行ってみます。
M31 16秒露出 20stack Gain390 QuadBPフィルター

電視観望としては悪くないですね。ASI294MCならUV/IRカットなしのQuadBPフィルター(Ⅱ)のみでもいけるかも。運悪く(?)M31が子午線に近い位置だったようで、AZ-GTiの追尾が不安定で少し星像が伸びてしまいました。
対象を別天体にしてもう少しやりたかったのですが、残念ながらこの後曇って終了!
1 CometBP、QuadBPともわずかに赤外ピンボケを起こすかもしれない
2 CometBPは青成分のピンボケにより星像が肥大し、シャープさが失われる
3 QuadBPは単独でもそれなりのシャープネスを示すがUV/IRカットの併用でさらにシャープになる
4 QuadBP単独で見られるわずかな赤外ピンボケも4/3”フォーマットでは目立たないがセンサーが小面積だと目立つかも
などが示唆された模様。
これらを考え合わせると、SV305 70ED のような2枚玉EDアポクロマートには、QuadBPフィルター(Ⅱ+UV/IRカット もしくはⅢ単独)がベストマッチ、CometBPフィルターの透過波長域、特に青の波長成分をフォローするには、やはり反射系対物か3枚玉EDアポクロマートの使用が必須となるでしょうか。
・・・って書いたけど反射はともかく3枚玉アポは持ってないので、実際どうなるかは未確認。たぶん大丈夫だと思うのですが?
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