バーストを繰り返した後、火球痕のような長大でブっちぎれた尾が観察できるようになったレナード彗星ですが、
#CometLeonard's twisted tail is more than 36° long! Mosaic picture Dec. 26, 20:25 UTC from #LaPalma, 2300m asl. 50mm, f/4, ISO 3200, 180s each. C/2021 A1 pic.twitter.com/SM4vrfnmkw
— Jan Hattenbach (@JanHattenbach) December 27, 2021
(カナリア大望遠鏡で有名なラ・パルマ天文台? でのモザイク写真)
わたくしの自宅は”大都会”高知市の東端に位置していて、西の低空は一番光害の強い方向のため肉眼でのレナード彗星の確認はできず、双眼鏡でも恒星状の点が見えたり見えなかったり。電視観望でも先端の一番明るい部分しか見られません。今までは14㎝F3.1、fl=434mmで電視観望してきましたが、どうせ先しか見られないのならせめてもう少し拡大しようと思って、C8+0.63×レデューサーのF6.3、fl=1260mmにスイッチしました。

AZ-GTi経緯台での運用ですが、高度の低い彗星がベランダ手すりに遮られるのを防ぐために三脚をいっぱいに延ばしています。AZ-GTiへのC8搭載自体が転倒の危険があるため完全に非推奨ですが三脚を延ばすと底面積(?)が増すので少しはそのリスク回避にはなっているかも。しかし転倒した場合のダメージは考えただけでも恐ろしいことになりますので、もちろんこのパターンも非推奨(笑)。
まずは12月26日の結果
ライブスタックをおこなってヒストグラム調整してみますと・・・・
Comet Leonard Gain390 1秒露出 19stack ノーフィルター
・・・ではなくて(笑)地上からのサーチライト(?)が一緒にあぶり出されてしまいました。
せっかく人が彗星見ようとしれるのに、何でこういちいち逆らって来るのですかね?
ま、これも一種の星景写真と解釈。その後、彗星が日周運動で移動することで視野外に出てくれました。
Comet Leonard Gain390 4秒露出 5stack ノーフィルター
Comet Leonard Gain390 4秒露出 5stack ノーフィルター
翌27日、もうすこしコントラストが上がるかな? と思ってCometBPフィルターを使用。
Comet Leonard 2秒露出 4stack Gain390 CometBPフィルター

ところが、バックグラウンドが明るくて2秒ぐらいしか露出がかけられず尾の部分のコントラストも上がりません。26日より低空の透明度が悪い気がします。逆に言えばCometBPフィルターのおかげでここまで出た、とも言える?
Comet Leonard 2秒露出 51stack Gain390 CometBPフィルター
さて、この3日間の変化を横並びにしてみますと・・・・

左から26日、27日、28日と並べています。この3日で核が飛ばされて小さくなりダストテールの幅が拡がっている(その分尾が長くなっている?)、と言えるでしょうか? 少し光度も落ちてきているように見えますね。
ただし右に行くにしたがって透明度の条件が悪くなっていますので、その影響もあるかも知れません
しかし、自宅に居ながらにして最短の準備・観望時間(準備10分、観望18時~19時)で連日にわたって彗星の電視観望をおこなうことができました。長年天文趣味を続けてきた中でも、このように手軽に彗星を観望することは今まで不可能だったのですが、それを可能にした機材環境の進歩は目覚ましいものがありますね。
さらに天候に恵まれた面も大きいです。昨年のネオワイズ彗星は天候不良で実質一回+αしか見られなかったですし、ここしばらくの日本各地の天候を鑑みますに3日連続観望は大変ラッキーな状況だったと言えるでしょう。諸々に感謝しつつ、今後もレナード彗星の変化を見て行きたいと思います!
・・・近赤外電視観望で広角を狙うと、ひょっとして長い尾を見ることもできるのでしょうかね?
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