SV905Cガイディングカメラを電視観望で使って今一つだったので、今回は素直にオートガイド用として使ってみます。
IMG_4945
ガイド用の鏡筒は3cmF4のSV165を使っています。「ガイディングスコープ」であるSV165を電視観望の鏡筒として使おうとして今一つだったもの(C線F線が揃ってない対物レンズを使用)のですが、これも初めて本来の目的に使用。
いずれも目的外使用で力を発揮できなかったものが、共に本来の役割を与えられて、まさに「水を得た魚」の状況ですね。今まで済まなかったと言うか(笑)

さて、ガイド用のソフトとしては新たにPHD2をインストールいたしました。
PHD2を使ったオートガイドシステムの構築についてはXRAYさんが記事を書かれています。

XRAYさんは最近リアルスターリーというタイトルのブログを始められたのですが、他の記事も実用的な内容が大変丁寧に書かれており、非常に充実したものとなっていますので、訪れてみることを推奨いたします!

オートガイドは本来天体写真用途のものですが、上の記事でも書かれているように電視観望においてもアライメントが厳密に行われてないセッティングでも追尾がずれない、また当方のように比較的長焦点で使う場合には露出時間を長くできる、などのメリットがあり、できれば導入したいと以前より考えていました。

さっそく検証します。電視観望用の鏡筒はC8+0.63×レデューサー、fl=1260mm、ASI294MC、ノーフィルター、VIRTUOSO-GTi架台、SharpCapProによる画像処理です。
IMG_4943
Synscan、SharpCap、PHD2の画面を並べるとこんな感じ。
ガイド
PHD2の使用方法についてはXRAYさんの記事にありますので詳しい手順は省きますが、このように認識できた星の中からガイドに最適のを自分で選んでくれます。
ninsiki
しかし、本日は非常に風が強く、時折「ビューッ」という感じの突風もあり、すぐにこのように鏡筒がブレてしまいます。
kaze
さらに、風によるズレでPHD2がガイド星を見失うこともしばしば。こうなるとオートガイドどころではなく(笑)
kaze2
さらにシーイングも最悪、下手にフィルターでもかけようものなら全てはねられ、何のためにライブスタックやってるか分からない状態(笑)
FWHM
そんな厳しい条件の中、何とかそれなりの枚数ライブスタックが成功したのがこちら。
NGC2903 4秒露出 Gain390 69stack ノーフィルター
NGC2903 4秒露出 Gain390 69stack ノーフィルター
とは言うものの、これでも半分以上のフレームがはねられてます。さらに悪シーイングで星像が肥大し、解像度もかなり悪いですね。まあ、オートガイドが機能することがわかったので所期の検証目的は達したものとします。

あ、そうそう、SharpCapに最近追加されたアノテーション機能(「天体名」を押すと表示される)も試してます。
ano2
これが機能するためにはプレートソルブが出来てないといけないはずなのですが、アノテーションできているにもかかわらすプレートソルブ導入が出来なかったり、またその逆もあったりして、まだまだ信頼性が今一つな感じですね。これはinuさんも報告されてました。まあ、更新が頻繁なSharpCapのことですからそのうち解消してくれることに期待して。

ともあれ、初めてのオートガイドでしたが、とりあえず最低限の機能は確認できました。今後、C8長焦点の運用について打開のきっかけになるかも知れませんね。
ただ今日みたいに風の強い日は何をやってもダメな感じ。さらに風のせいではなく、たまにVIRTUOSOが変な動きをしたりすると(これはAZ-GTiでも起こる)それもガイド星を見失う原因になってました。まあしかし、ローコスト機材にソフト環境を整えるだけで新機能が構築できるようになった昨今の状況は大変喜ばしいですね。PHD2などの実用的なフリーソフトを開発してくださる方々には本当に感謝の一言です!
というわけで、今回は珍しく機材を目的通りまともに使った記事でした!