注意:コロナドP.S.T.などの太陽望遠鏡を分解・改造したものを直接アイピースをつけて見る眼視観望に使用しないでください。

というわけで、非推奨ぞろいの当ブログ記事の中でも最大の非推奨案件となります。

2年くらい前にP.S.T.を分解していたのですが

その後特に進展はなく、いつものことですが(笑)一種の死蔵状態でした。

しかし、先日のDSP2022にてじろーさんより、P.S.T.→2インチバレルのアダプターをいただき
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(金色の鏡筒の上にある黒い部品がアダプター)

これにより、一気に20cmF10のC8に接続が可能に!

ちなみにC8にP.S.T.のエタロンフィルター以降を接続するやり方は開祖のSamさんはじめ

ykwkさんも素晴らしい結果を出されています!

さて、このアダプターの先にはZWOの2インチUV/IRカットフィルターが取り付けてあるのですが
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これにより20cmもの口径で集められた赤外線や紫外線が反射され、接眼部に及ぶことがないので、太陽望遠鏡のさまざまな危険のうちの一部を回避することができます。

C8に取り付けるとこのような体裁に。
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架台はAZ-GTi、転倒防止のためカウンターウエイトとしてアリ型などを取り付けています。

CMOSカメラはPlayerOne Apollo-M Maxを使用。
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改造した太陽望遠鏡での眼視観望は危険が伴いますので当方も
必ずCMOSカメラを経由してパソコンのモニターで観察
することにしています。

自動導入で太陽が近くまで来ると主鏡からの直焦点がこんな感じに補正板に写りました(副鏡の下のあたり)ので
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これは危ない、と慌てて鏡筒にフタ(笑)。ちなみにAZ-GTiを太陽の方向に向けるのはSynScanのアドバンストモードで設定をし、2桁の足し算の答えを入力しないといけないのですが、この辺も安全対策ですよね。

さらに鏡筒が太陽熱で過熱し、余計な筒内気流が発生しないように銀シートで包んでいます。
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かなり見苦しい外観ですがご容赦ください(笑)

さて、パソコンモニターで太陽の輪郭を見ながらピント合わせするとこんな感じ。
taiyou toubai
思ったより視野が狭いなあ・・・これだったらApolloの1.1型センサーじゃ広すぎます。1/3"のSV305Mでいいかも知れないですね。もっとも、わたくしのことですからどっかで間違って(笑)ケラれを発生させてる可能性もありますけど。

ビニングを試してみようかなで、Bin2だと、
taiyou toubai 2
なぜか、Bin2の方がコントラストつけやすい気もしましたが、この辺は良く分かりません。画面暗くなってるだけかも?

Bin1に戻し、中央拡大。
taiyou100%
どうかな? それなりに20cm並みの解像度は出ている気もしますが、リアルタイム処理ではこの辺が限界ですね。

一応、動画も撮ってみました。

少し風のあった日なので、AZ-GTiではかなり揺れますね。しかし、シーイングが止まった時にやはり20cm解像度の片鱗みたいなものは見えてる気がします。ひょっとしたら、動画の良フレームをスタックしてコントラストを上げるともう少し見応えのある画像が得られるかも知れません。

しかし、わたくしは太陽の天体写真を撮りたいわけではなくて、準リアルタイムに太陽の電視観望がやりたいのです。これはDSOでも同じですが個人的には天体写真と電視観望の違いを「後処理のあり/なし」で線引きしており、主として
「面倒くさい」
と言う理由から後処理をやりたくありません(笑)。

何とかその場でもう少し画質を向上させる手がないかと考えています。

さて、最後にもう一度、
コロナドP.S.T.などの太陽望遠鏡を分解・改造したものを直接アイピースをつけて見る眼視観望に使用しないでください。特に大口径での太陽観察では細心の注意で安全確保に努めてください。