SV550で一番驚いたのは周辺減光がほとんどないことでした(4/3"センサーの場合)。リアルタイムでフラットを減算することが難しい電視観望にとってこれは非常にありがたいことです。特に視野いっぱいに拡がった視直径の大きな天体では淡い部分を持ち上げやすくなり表現力が増してきます。

では実際にどれぐらいの周辺光量が確保されているのでしょうか? 確かめるために、あえてピンボケにした画像を撮ってみました。
pinboke flatner
驚きました! 4/3"センサー視野の4スミまで完全にピンボケが円形です。これは「最周辺光量100%」ということになるでしょうか。逆にこれで周辺減光が起こる方がおかしい(笑)。

これは当方のニュートン式ですが、筒先や斜鏡の制約もありますので、ピンボケ画像はこのようになります。
pinnboke1
バックグラウンドのカブリを見ても減光は一目瞭然ですが、右下拡大だとこんな感じ
pinnboke2
たぶん、筒先と斜鏡の「挟み撃ち攻撃」で減光されてます(笑)。イメージサークル確保を考えた場合、周辺減光の要素が多くなるのが反射の泣き所とも言えますね。

屈折望遠鏡だと反射よりイメージサークルの点では有利ですが、それでもいろいろな制限があると思います。今回試用しているSV550ではその制限のひとつ、ドローチューブ内径を大きくすることでイメージサークルを確保している気がしました。
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上の鏡筒は当方所有のSVBONY SV503 70EDですが、下のSV550のほうがドローチューブが一回り太いですね。
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ドローチューブ内径を計ってみたら、SV503の51mmに対しSV550では60mm。確かタカハシの鏡筒でも中口径以上はドローチューブ内径が63mmくらいだったと思うので、少なくともそのクラスには達して来た、ということでしょうか?

実はSVBONYの公式サイトで、”イメージングの問題”としてSV503 70EDは専用フラットナ―を使う場合でも小さなサイズのカメラが推奨されています。

問題になっているのが、周辺星像なのかイメージサークルなのかはっきりしませんが、ユーザーとのやり取りを通じて「このスコープの限界」を知り、それをインフォメーションしている姿勢は好感が持てました。

さらにこの件を生かして、後発のSV550ではより大きなセンサーが使用可能なように、接眼部を大型にしたのではないかと推測。接眼部にコストをかける必然が理解されたのだとすると、今後ともユーザーの声を反映した商品開発が期待されますね。

SV550、この極太ドローチューブで35mmフルサイズの最周辺光量がどれぐらい確保されているかも写真派の方々には気になっていることでしょう。自分はフルサイズ持ってませんので検証できませんが、今後それが明らかになるのも楽しみではありますね!

さて、SV550ではドローチューブの内側にも遮光環が入っています。
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右のSV503でも細かい溝みたいなのが入ってます(アイピースバレルの内側みたいな状態)が、一見して艶消しみたいな見た目。遮光環はイメージサークルとは関係ないですが、この辺にも進化が感じられます。

まだちゃんと見られてないのですが、SV550で惑星を見た時の眼視でのコントラストにこれが反映されてる気もしましたね。
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(SV550にAstrostreet5×バーロー、BelOMOルーペアイピースにて約80倍で木星を見ている状態)

もう少し月が大きくなって来たら月面も見てみたいですね。高倍率の結像を中心に眼視での検証も少しやってみようと思っています!