今回、当方は女房同伴で参加したのですが、他にもSamさんご夫妻、サジモトさんご夫妻、マリーチさんAramisさんは子供さんも連れて参加しておられました(utoさんも息子さん帯同でしたが、こちらは「有能な助手」なので少しカテゴリーが違う感じ)。そして同伴の家族が星の趣味を持っていない場合、現地での家族の過ごし方がひとつのテーマになると思います。また、家族に限らず「一般の方」がいかに快適に楽しく過ごせるかが「星まつり」では一番大切だと個人的には思っております。

マニア、特に常連の要求が肥大していくと、一般の人にとっては少し敷居の高いものとなり、ほとんどいないですけど「初対面の人にタメ口で上からしかしゃべれないようなマニア」に対応された日には星まつりの印象は最悪になるでしょう。この点は主催側も危惧して運営に心砕いておられると思いますが、ジャンル内の末席に住むわたくしのような者としてもそういう事態は絶対に防がなくてはなりません。
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そこで参考になるのが、うちの女房のような「素人」の意見です。当人はもちろん全く天文の趣味はなく、以前、三日月状の金星を見せた時、

「これ月やろ」「いや、金星やけど」「いや、この形は絶対月や」

と言って譲らなかったほどの筋金入りですので、その資格はバッチリです(笑)

それでは前置きが長くなりましたが、今回の記事は小海星フェスにおける女房の行動を中心に、本人の意見やわたくしの考察を挟んで展開して行きます。

1日目

まず、会場には11日(金)の13時過ぎに到着したのですが、駐車場ではすでにじろーさんとNickさんが太陽望遠鏡で太陽を見ておられました。当然、こう言う流れになります(笑)
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このダブルスタックHα望遠鏡による太陽は大変印象深かったようで、

「空を見る時は手をかざして直接見ないようにする太陽が望遠鏡で見られるなんて、感動以外の何物でもない」

との事でした。
またプロミネンスや、ブラック何たら(たぶんダークフィラメントのこと)にも感動したらしいです。

さて、小海リエックスホテルのチェックインは15時からですが先に荷物を持ってフロントに手続きに行き、14:30からの「ウエルカム・スイーツ」でスイーツ食べ放題。15時にチェックインして部屋へ。
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(ホテル部屋のベランダよりの風景 こっち側はスキー場になっています)

部屋の鍵が1個しかないので、夫婦二名が別行動になるときは少し不便ですね。部屋で一休みした後はメイン会場に一緒に行きました。
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いろいろな人が望遠鏡を設置しています。ここで何人かの知り合いに挨拶して女房を紹介しますが、面識があるのはNickさんとギルモアさんくらいなので、正直覚えきれなかったと思います(笑)。

さらに挨拶回りはキャンプサイトへ足を延ばします。
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ここでは、yagiさんかんたろうさんXRAYさんたちがおられましたが「あ、生シベットさんだ!」と近づいてきてくれて、その辺は予想外だったらしく娘に家族ラインで「人気者らしい」と送ってました(笑)
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この時点で17時前くらいだったでしょうか。わたくしは17時30分から古スコ懇親会があるので、それの機材搬入に向かいましたが会場までの運搬を手伝ってくれました。
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まあ、MAKSY双眼とかミニすばるとかNEWTONY三線とか小型のものばかりですが、細々した部品があるのでたいへん助かりました。この後わたくしは懇親会(その模様はutoさんのブログに詳しいです)に参加、女房本人は温泉に行くとのことで別行動に。

懇親会は20時ごろ終了したので、その後再び合流して一緒にメイン会場に行きました。
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画像の15㎝F15アクロマートを始め、ヒロノさんの66㎝や、Nickさんのナイトビジョン、などなど普段見ることのできない機材を見せてもらいました。

ここでの本人の感想は

太陽以外(月や土星、木星のこと)のものはそれまでにも見たことあったけど、見せてくれた方々が謙虚で、素人への解説や疑問への対応が素晴らしい人格者の集団だ。これのおかげで、また見たいという気持ちになり、また(星まつりに)行きたいという気持ちになった」

だそうです。

なんでも、わたくしが望遠鏡見せる時は聞きもしてない余分な解説が多いそうなのです・・・チキショー(笑)

と言うわけで、

望遠鏡のパフォーマンスと同じくらい解説者の人格が重要である

ということが明らかになりました(笑)。結局、「人」なんですよねー

で、21時くらいまでは一緒に回っていましたが、さすがに疲れてきたようなので、一人で部屋へ帰って持参した本を読むとのことでした。

その後わたくしは、XRAYさんの着火を冷やかしたり
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ツアイス50/540で死ぬ思いをしたり。mituさんの月面スケッチ指南を受けたり等々マニアックな時間を過ごしておりましたが、25時頃終了。先にホテルの部屋で休んでいた女房を叩き起こして鍵を開けもらい部屋に戻りました(笑)。いやほんと申し訳ない。やっぱり部屋の鍵は2個欲しいよな・・・

2日目

さて、翌朝は6:30ごろ起床。7時からビュッフェ形式の朝食が可能なので一緒に行きました。朝食後荷物を移動した際に愛車BRZと記念撮影。
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当方在住の高知から小海までの往復行程は約1500kmですが、時々運転してくれたのでかなり楽でした。この後メイン会場を経て
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クラフトブースへ
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この「巻き貼り子」が気に入ったようでした。
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2人で店の人の話を聞いたのですがいろいろ面白かったです。

カリンバのとこでもいろいろ話聞きました。
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こういう、細い鉄線(?)のカリンバはあんまり見たことないですね。それから奥にある響板が単板のやつも。ものすごいクリアな音がしてました。シーチキンの缶が響体のやつもあったし、ノイズでパーカッシブな効果とか、すごい工夫されてて面白かったです。自分もカリンバの仲間の「ムビラ」持ってるんでこういうの好きなんですよ。
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(シベット所有の「ムビラ」。ジンバブエではこれを神との交信に使う)

いや、このブースではむしろ自分の趣味で長く話してましたので「女房置いてけぼり」は星の時と変わらなかったな、と反省しきり(笑)。しかし家族を帯同する場合、こういう星とは違うジャンルのクラフトブースの存在は非常に大きいと思います。

その後は太陽望遠鏡祭り。Nickさんの双眼太陽望遠鏡はそこを通りかかるたびに覗かせてもらっていたようです。
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じろーさんの錚々たる太陽望遠鏡群も網羅。
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(この画像で覗いている人は女房ではありません)
Hα望遠鏡のコリメートは難しくて、眼視で見えてるダークフィラメントとか一切写らないんだけど周辺のプロミネンスは何とか。
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ミューロン180の部分拡大太陽面も強烈でしたね!
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変わったところでは15㎝F15のソーラーフィルター仕様。
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白い太陽面が逆に新鮮でした。
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iPhoneコリメートでは写せてないけど、粒状斑が見えたんですよね。

さて、12時からアストロカーでも太陽望遠鏡仕様を見せてくれるとプログラムにあったので、ということで11:50ごろから待っていました。
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でも12:10くらいになっても誰も来ないので、あれ、予定変更になったのかな、と思ったら12:15くらいに準備が始まったみたいなので車の右側で待っていたら、「こちらからどうぞ」と言われて左側に回ったら、あれ、さっきまで人いなかったのにもう並んどる! 11:50からいた我々の立場は? という紆余曲折がありつつも・・・(笑)
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何とか夫婦ともども20cmクーデを拝むことができました。と言っても太陽望遠鏡仕様で口径9cmだっけ? ダブルスタックになっていて、物凄いコントラストと解像度の太陽面が見られました。正直、これはすごかったです。

そして当然、「左下に見えるのがダークフィラメントで、プロミネンスを太陽面をバックに見たものだよ」と聞かれもしない解説をぶちかましてやりましたわ(笑)。まあそれはともかく、本人も今回の小海で一番印象深かったのは太陽じゃないかと。まあ、これだけトップエンドの機材を見ればね。

そんなこんなで、その後、MAKSY双眼をメイン会場、utoさんの45㎝の横に設置。
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下の買い物かごにミニすばるとかいろいろゴチャゴチャ入ってますけど、こういったものを運ぶのも手伝ってもらいました。やはり一人よりは二人ですね!

けっこう人が集まってきてくれたので、一応MAKSY双眼のデモのようなものもおこなってます。
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メイン会場脇のモミの木? の先っぽを見てもらったのですが、正立双眼特有の立体感とBelomoの解像度で「うっすらと張ってるクモの巣まで見える!」とそこそこ好評!

女房氏も見て「すごいね、こんなに鮮やかに見えるんや。すぐそこにあるみたい!」って、ええっ? アンタ、この見え味は家で何回か経験してるはずですよね?(笑)

そんなこんなしてるうちに14:00過ぎ、ホテル宿泊者は14:30から「ウエルカム・スイーツ」に入れるので2人でそちらへ。ここでもスタークラウドのMさんやHさんとお会いしたので挨拶。

15:30からの抽選に合わせてスイーツを切り上げ、メイン会場のステージ前で当選番号が読み上げられるのを「聞き漏らすまい状態」で必死で聞いてました(笑)。おかげ様で? 夫婦2人とも当選。今回当選者の風体によって賞品が決まるシステム? と思われましたが、当方はLEDコンパス、女房は40倍テレスコープAX-45(たぶん単レンズ)でした。ありがとうございます! 
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さて、この抽選が終わったのが16時半ごろ、クラフトブースは17時で閉店とのことだったので、女房は午前中に見た「巻き貼り子」を買いに行きましたが、手ぶらで戻って来ました。どうしたのかと思ったら、もう閉店していた、との事。

この時間帯にはもう閉店準備していたお店が多かったようです。まあ、出店する立場からしたら、抽選でお客さんがみんなメイン会場に行ってしまう開店休業状態が1時間も続けば、もう誰も来ないから早めに店をたたむか、になって仕方ないですよね。いずれによ残念ながら「巻き貼り子」はゲットできず。寒くなってきたこともあって、女房は部屋に帰りました。あと温泉入ったり部屋で読書していたようです。家と違って諸事に忙殺されることがなく読書が進んだようです。

その後再びわたくしのマニアック時間。暗くなるのももどかしく、けにやさんとも合流し、いろいろと展開しておりました。本当に各所でいろいろな実演が行われており忙しいったら・・・その模様はまた別記事にしますが、この日は22時くらいには撤収し、ホテルの部屋へ。今度はさすがに女房も起きてました(笑)。

3日目

翌朝も6:30ごろ起床、7時からビュッフェ形式の朝食は昨日同様。朝食後はチェックアウトし荷物片付け。帰りも750kmあるので出来るだけ早く出たいのです。メイン会場のブースもほとんど閉まっていますが知り合いを見つけて挨拶回り。
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キャンプサイトに移動、昨晩盛り上がったと聞く「宴のあと」を見つつ(笑)
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小海星フェスの締めは「カフェ・けーたろ」にてマスターお手ずから入れていただくコーヒーで!
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2種類のプレミアムなコーヒーを夫婦ともどもいただきました!

この時Aramisさんもいらっしゃったので、昨日、Aramisさんちの犬をうちの女房が触りたそうにしてた話から、プードルだと思ってたその犬がミニチュア・シュナウザーと判明。会場では何人かの方が犬帯同だったのですが、アイリッシュ・ウルフハウンドと思っていたのがスコティッシュ・ディアハウンドだったり(正直、後者が少し小さいだけだけど)そういう少しマニアックな犬種の話で「女房置いてけぼり」が再度発生したので、そこそこで自粛(笑)。しかし、家族同伴に加えペット同伴もいろいろと超えるべきハードルがあるようなので、この辺も一テーマありそうですね。

ということで小海星フェス完全終了!
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BRZのルーフに積もったモミの木? の枯葉と共に高知を目指します。先にも書きましたが帰宅距離が長いので運転を交代してもらえるのは大きいですね。とてもありがたかったです。おかげ様かどうかはわかりませんが、BRZも今までで最高燃費の16km/ℓ台を記録いたしました!
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(女房運転時に助手席より撮影)

さて今回、星の趣味を持ってない家族が星まつりに参加した場合の一つのケースを時系列で追ってみました。こういう情報を共有してよりよい参加の在り方を模索していければいいですね!

それでは帰りのサービスエリアで目撃した、インパクトのある雷鳥のぬいぐるみ画像で記事を終わりたいと思います。長文失礼いたしました!
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