ハーシェル・ニュートン用のd76㎜f900㎜の主鏡、当初、Aliで発注した1枚2500円の鏡が使いようがないほどの強烈な二重球面で、やむを得ず別業者に同じ価格帯のを新たに3枚別発注したのですが、

その業者が発送せず(理由不明)注文がキャンセル、仕方がないので、さらに別業者に1枚4000円ちょいのを発注していました。

注文から11日というAliとしては爆速でそれは届きました。
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箱でなく袋です。
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中身は問題なさそう。
さっそくフーコーテストしますが、前回が前回でしたのでもうドキドキです(笑)
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さあ、どうだ!?
ナイフエッジ画像
iPhoneでの撮影なので、画質が悪くて申し訳ないですが、何だかいい感じの放物面に見えるのだけど・・・
ナイフエッジの移動量を見ます。
ナイフエッジ移動
左が鏡の周辺(バーニヤ21.3㎜)、右が鏡の中央(バーニヤ21.7㎜)の焦点位置です。左右の差がバーニヤ読み取りで0.4㎜(ナイフエッジのみ移動)、これはD76mm FL900㎜の修正量0.39㎜に限りなく近いです。つまりほぼ理想的な放物面!?

12/26追記 痛恨のバーニヤ読み間違い! 鏡の中央はバーニヤ11.7㎜でした。これですと左右の差がバーニヤ読み取りで9.6㎜(ナイフエッジのみ移動)、焦点距離で言うと4.8㎜も違う、かなりの過修正です。これも実用性は厳しいです。

商品ページでは「球面鏡」とのことなのでこの測定結果は不可解ではありますが、さすがに「球面鏡と言うことでで買ったけど完璧な放物面やないかい! 返品や!」とはできない(笑)。いやしかし上にあげたAliの商品ページにある安価な鏡が全てこのレベルの放物面鏡だとしたら恐ろしいことですね。まあ、球面鏡と謳われてるしその確率は低いとは思いますが・・・

とは言うものの、この鏡の用途は「ハーシェル・ニュートン」なので軸外しにする必要があり、放物面鏡だと球面鏡にはない新たな非点収差を発生させてしまう可能性があります。はっきり言って有難迷惑(笑)


以下、もし理想的な放物面鏡が入手できた場合の話・・・

しかし、わたくしは少し考えてみました。放物面鏡のRは軸上で球面収差を補正するため大雑把にはこうなっています。
放物面大雑把
放物面鏡を傾けると、このRの差が球面鏡を使ったとき以上に非点収差を増やしてしまうのですが、どうせ76㎜のフル口径は使えないので、このように偏心した主鏡絞りを設けてみるとしますと・・・
放物面大雑把 接眼部付き
球面鏡を使った「ハーシェル・ニュートン」と、軸外し放物面鏡を使った「無遮蔽ニュートン」の中間のような光学系になるのではないかと思います。
これがうまく機能するとしたら、ハーシェル・ニュートンより実用口径を大きくできるかもしれません。例えば今回の76㎜主鏡を使った作例に60㎜とか65㎜の偏心絞りを設けることで実用的な解像度が得られれば、球面鏡を使った中村要のオリジナル・ハーシェル・ニュートンより一段階大きな口径を使うことができる可能性があります。

モデファイド・ハーシェル・ニュートン

ということになるでしょうか。これは大変恐れ多いことであると共に、ものすごくワクワクする案件でもあります(ただし、逆効果でかえってダメな結果になるかも)。

これを実際に行うのは来年の一月以降になってしまいそうですが、久々に期待の持てる実験になりますね!

さて、面白くなってきやがった!(笑)

さて、と(笑)。現状、D76㎜fl900㎜のまともな鏡が入手できる道が絶たれているので、76㎜ハーシェル・ニュートン計画は頓挫ですね。しかし、なんで球面鏡でいいスペックのものに余計なことして鏡面を壊すのかが謎です。