僕の持っている望遠鏡で一番大きいのが、セレストロンの20cmF10シュミカセを双眼望遠鏡にした「C8双眼」です。これは7年位前に作って、サミット~双望会と毎年持ってきています。
 
現在、双眼望遠鏡はEMSを使った屈折式( いわゆる「松本式」 )が主流になっていて、ニュートン反射式双眼望遠鏡では自作のもの( 3回反射式、2回反射の直視式 の2種あり )、YAMAさんの手になる「Dualityシリーズ」( 3回反射式 )などがちらほら、といった状況でしょうか。
 
しかしながら、シュミカセ双眼については、まだ自分以外の作例を見たことがありません( 松本さんのお話では過去に手がけたことはあるそうなので、現存はしていると思うのですが )。C8双眼は口径20cmの双眼望遠鏡としてはかなり軽量・コンパクトに仕上がっており、筒外焦点も引き出せるのでEMSとのマッチングもいいと思います。他の方が製作された、より完成度の高いシュミカセ双眼をぜひ見てみたいのですが、なかなかそういう人が現れません。
 
これはやはり、20cmという口径では中途半端、28cmクラス以上になるとニュートン式よりかなりコスト高になるからかな、と最近思い始めました。加えて温度順応に時間がかかる、星像がやや甘い( これは光軸合わせスキルが低いこともありますが )、ミラーシフトが発生、などのシュミカセの欠点もあります。
 
双望会ではすでに「40cmクラスが標準口径、50cmで大口径、30cmクラスはコンパクト」+「10~15cmクラスの屈折広視界」という雰囲気が定着しつつあるような気がします。この流れにあって、20cmの口径は「NGC天体をしらみつぶしにするほどの集光力」はなく、「3~4度の広視界でのリッチフィールド」もない( C8双眼の実視界は約1.2度 )というきわめて中途半端なものとなります。
 
事実、今回の双望会で隣におられたケーメーさんに、「GINJI-400DX」で、いろいろな天体を見せてもらってから自分のC8双眼で見直す、というのを何回かやってみたのですが、そのあまりの見え方の落差に集光力の違いを思い知るばかりでした。でもまあ、これは自分が悪いです。なまじっか40~50cmクラスの望遠鏡を見た経験があるため、天体の見え方に対して贅沢になってると思われますので・・・・

また、銀ミラーとも見比べたもんだから、木星とか、散開星団とか、M42とか「モノクロ」に見えて仕方なかった(笑)。僕のC8双眼は「アルミメッキの4回反射+薄汚れた補正板」ですからねー。でまあ、これも自分が悪いですが・・・
 
さらに、最近の1年間はほとんど使っていなかったこともあって、C8双眼をフリーマーケットで売却することにしました。値段をつけて商品コーナーの一角に並べます・・・・・フリマ開始・・・・
 
そして・・・1時間経過・・・も、売れず!(笑)
 
ああ、これは「自分で使え」ということだな、と思いました(笑)。
 
この望遠鏡で見てない天体はまだまだたくさんある、アンタが使ってないだけやろうが! という天の声が聞こえてきそうでした。なので心を入れ替えてその晩は、星図を見ながら初めての天体をコツコツ入れていきました。するとやはり20cm20cmで対象が確認できたときの喜びがありました。
 
長いことこういう楽しみを忘れてた気がします。
 
 
C8双眼をもっと使ってやろう。
光軸も追い込んで、温度順応にも気を使って、星図も見やすい台を作って・・・・・

そう言えば、鏡4枚のうち3枚( EMSの2枚 + 副鏡 )だけでも銀ミラー仕様にしたらだいぶ違うんじゃないでしょうか、と松本さんも助言をくださいましたし。