明るい星は昼間でも観ることができる。
場所が「ここ! 」って、わかっていれば肉眼でも見える(実際に見た経験アリ)のだが、人間の目は変化のない青空みたいなものにはピントを合わせにくいし、そういうちょっとした小さな光を検出することは難しい。

でも、望遠鏡を使えばずっと楽に見ることができる。
とは言うものの「当てずっぽう」に望遠鏡を振り回してもまず見つからないので、あらかじめその星の位置を特定しておいて、正確にその方向に向ける必要がある。

位置を特定する方法はいろいろあるが、フリーのプラネタリウムソフトを使うのが簡単でよい。
ぼくは「Stella Theater Lite」(http://www.toxsoft.com/sswpro/lite.html
っていうのを使っているけど、フリーソフトとは思えない多機能でとても便利だ。
で、このソフトは任意の天体のリアルタイムな高度と方位を計算することができる。
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上の画像ではちょっと見にくいけど、この時間の木星なら、方位が342.5度、高度が52.6度の方向にあるとわかる。
だから、ここに望遠鏡を向ければよいわけだ。

で、その方位と高度に向けるための、方位計と高度計を望遠鏡につけてみました。
望遠鏡は愛用の「レイメイRXA100」、76mmF4のニュートン式だ。こんなかんじになる。

まず、こちらは高度計。
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100円ショップの分度器を切り、プラ板とボルトナットによる「下げ振り」で仰角を読み取れるようになっている(ちなみにこの高度計はマグネットによる「取り外し式」にしてあるので、鉄鏡筒なら汎用的に使えるのだ! )。
しかし、この形はまさに「四分儀」ですね。

こっちは方位計。
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スケールのほうが回転する形(これは「羅針盤」の方式)なので、普通の全周分度器とは目盛りが逆になっている。これはネットで探した分度器のpdfファイルを、フォトレタッチで加工して作成した。
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圧縮したのでちょっと粗いかもしれないけど、必要な方はお使いください。

さて、実際の使用に当たっての初期設定には、昼間だから「太陽」を使うことになる。

望遠鏡に太陽を導入するときは、まず鏡筒の影を使って大体の方向を合わせ、アイピースに太陽の強烈な光がこんな感じに映るので、
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望遠鏡から離れた状態で、この強烈な光をレンズの中心に持ってくる。
この時、絶対にアイピースを覗き込んではダメ!! 目が焼けます!

次に「Stella Theater Lite」の「天体の検索」で、太陽を選んで画面右下に表示された方位と高度の数値に、高度計と方位計の目盛りを微調整して合わせる(太陽は日周運動で刻々と動いているので、できるだけ素早く終わらせる必要がある。また、アイピースレンズのバルサム接合面が溶けるかもしれん! というリスクもあるので、極力速やかに! )。
これで完了。


そして、今回は木星を見ることにしているので、目盛りを見ながら鏡筒を動かして、「Stella Theater Lite」による木星の高度と方位の位置まで持っていく。

・・・・さてどうかな・・・? 

おう! PL17mm・18倍・実視界3度の視野の端っこにギリギリ入ってるぞ!
大成功! ちょっと感動。 誤差は1度くらいかな?
50倍まで倍率を上げてみると輪郭もクッキリ、なんと縞模様まで見えるではありませんか!
デジカメでアイピースを覗き込んで写真を撮ってみる。
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一応・・・写った(笑)
本物はこれの数倍はよく見えるんだけどねー
まあ、昼間に望遠鏡を見てもらう時のいいネタにはなりますね。
明日は金星(楽勝の見込み)や土星(やや苦戦の見込み)にも挑戦してみようかな?

もちろん夜に使えば、どんなに導入の困難な天体もらくらく観望! というわけです。
まあ、口径が76mmなので入っていてもほとんど見えない! ですけど(笑)。



あと、最後に念のためもう一度・・・

昼間に望遠鏡を使うとき、絶対に太陽を見てはいけません。失明の危険性があります!