505mmF4.4の放物面鏡に、コスモキッズやスカイステージの76mmF3.7を組み合わせることで、合成F25前後のグレゴリー式を作ることができますが、その時の副鏡に要求される「 円錐係数 」が、0.507( 楕円面 )。「 円錐係数 」は放物面鏡で「 0 」、球面鏡では「 1 」なので、ちょうど放物面鏡と球面鏡の中間くらいの楕円面が必要ということになります。
ところで、コスモキッズや、同等品のインフィニティ76はたくさん持っているのですが・・・・(笑)
ここで、はたと思いつきました。
ひょっとしたら、この中にグレゴリー式の副鏡としてマッチする楕円面鏡( 負修正の放物面 )が”偶然”あるかもしれない!
善は急げ! さっそくフーコーテストをおこないます!
結果は・・・・・・・・
インフィニティ(白鏡筒) インフィニティ(赤鏡筒)
http://space.geocities.jp/jzd01063/yellow.jpg http://space.geocities.jp/jzd01063/blueeye.jpg http://space.geocities.jp/jzd01063/skystagechange.jpg
コスモキッズ1 コスモキッズ2 コスモキッズ3
どうです、この個性的な顔・顔・顔・・・・(笑) ほとんどの面に中央山がありますが、これはなぜでしょうね。
コスモキッズ2あたりが放物面で、インフィニティ白が双曲面(過修正)、あとの3つは負修正に見えますね。
影の出方だけでは分からないので、プリントアウトした紙をカッターで切り抜いて、コウダースクリーンを作り・・・
http://space.geocities.jp/jzd01063/couderscreen.jpg http://space.geocities.jp/jzd01063/teleCA3K2371.JPG
ゾーンテストをおこないます!
http://space.geocities.jp/jzd01063/teleCA3K2375.JPG http://space.geocities.jp/jzd01063/teleCA3K2376.JPG
76mmF3.7の放物面では、中央部と周辺部のナイフエッジの移動量が2.28mmになればいいはずです。
もっとも綺麗な面と思われた、コスモキッズ2を測定してみますと・・・・・
( グラフ作成には、青森のkimuhiroさん作成の「鏡面研磨支援ソフト」を使わせていただきました )
ゾーンテストは不慣れなため、ちょっと測定値には自信がないのですが、1/4λ程度の放物面であるようです。ちなみに、この鏡は惑星なども非常によく見えます。
さて、グレゴリーの副鏡に使えるのがありますかね・・・・上の放物面と、過修正のインフィニティ白は当然ボツ。インフィニティ赤とコスモキッズ1は中央山が大きすぎて、これもボツ。残るはコスモキッズ3ですが・・・・今回、副鏡として要求される楕円面では、中央部と周辺部のナイフエッジの移動量が1.15mm。この条件に照らし合わせてみますと・・・・・
http://space.geocities.jp/jzd01063/skystagetest.jpghttp://space.geocities.jp/jzd01063/skystagechange.jpg
中央部分は、山のため測定不能、半径24mmあたりでの修正量は、まあまあマッチングしているようですが、28mmあたりでは理論値と離れているので、1λ程度となります。まあ、測定値自体があてにならないのですが、ちょっと微妙な結果ですね。
球面よりはだいぶよさそうだから、思い切ってこれを副鏡に作ってみましょうかねえ・・・・グレゴリー・ナスミス。
コメント
コメント一覧 (7)
私は鏡のテストについては明るくないのでよくわからないのですが、グレゴリー・ナスミス式が完成することを願っています。
uwakinabokura
が
しました
ただ、上のようなテストでは実際の星像はわからないので、いろいろな副鏡に対応した「 汎用ホルダー 」と鏡筒を作って取り付けてみないといけないと思います。
副鏡はまず76mmでやって、加圧した99mmも一応試したいですね。
手持ちの鏡でダメなら、研磨からの新規製作、もありうる?・・・・(笑9
uwakinabokura
が
しました
汎用ホルダーには簡単な光軸修正機構や焦点距離に応じた副鏡の位置変更機構が必要で、結構大変でしょうが、もし良い物ができたら私も参考にさせて頂き、将来チャレンジしてみようと思っています。
uwakinabokura
が
しました
問題は光軸調整ですね・・・これをしっかり行っておかないと結像の評価ができません。
副鏡(第2面)とナスミス鏡(第3面)の調整は普通のニュートンのようにレーザー等が使えるとして・・・・問題は主鏡の向きの調整ですね。
ナスミス鏡の裏面中央に小さな平面鏡を貼り付けて、接眼部の反対側からレーザーを当て、主鏡中心を狙う・・・・とかでしょうか?
uwakinabokura
が
しました
uwakinabokura
が
しました
フーコーテストの結果の見方やゾーンテストのことはよくわからないので、もう少し勉強します。
ちなみに、オルビスのフーコーテスター、ポチしてしまいました…
uwakinabokura
が
しました
テストのことが載っている書籍で、現在入手可能なものは「天体望遠鏡の作り方」(天文ガイド編集部)くらいでしょうか。中古では「天体望遠鏡を作ろう」(えびなみつる)が買いやすいですね。
誤解があってはいけないのですが、上の5つの鏡はたぶんどれもよく見えると思います。2つのインフィニティの入手は5~6年前だったかな? 赤鏡筒の方は実際に2倍バロー+Or6mm93倍で惑星を見ていましたが、よく見えました。
ローコストの望遠鏡によくある球面鏡とは一線を画する見え方でしたね。このクオリティが量産できるのは素晴らしいと思います。
しかし、どうやって製作しているのか・・・・非常に興味があります。中央山があるのと関係あるような気がしているのですが・・・・
uwakinabokura
が
しました