ところで、「TANZUTSU 」 ~ 「短筒」? って、どんなもんかな? と思って調べたら、どうやら火縄銃の小さいもののことを言うらしい。こういうやつのようです↓1c18568c.jpg


火縄銃のピストル、ってことでしょうか。

・・・・短筒と言えば、昔、三船敏郎主演の「荒野の素浪人」という時代劇ドラマで、大出俊演じる「五連発の旦那」というキャラがいました。
時代劇に短筒が出てくるときは、大体、悪役が卑怯なシチュエーションで使うのだけど、それを連発銃( これは火縄銃ではなく完全なリボルバーです )にして、準ヒーローに持たせたところが斬新でしたね!
「すっぽんの次郎吉」役の坂上二郎さんにも笑わせてもらってました!

さて、短筒ならぬ、こちらの「TANZUTSU」ですが、今回は気になったことを少々。
天頂ミラーのついたファインダーが付属しているのですが、口径が2cmかな・・・・と計っていたところ・・・!

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対物レンズ直後で、5mmくらいに絞られているぞ!(笑)

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おそらく、シングルレンズの色収差をなくすためだと思いますが、これじゃ、瞳径より小さいので、望遠鏡本j来の「 肉眼以上の集光力 」は発揮できないことになりますね(笑)。まあ、しかし、月、惑星限定で狙いをつける用途には使えますので、ギリギリ実用性はあります。

しかし、「買ってはいけない」系の望遠鏡でよくある手法というか、この望遠鏡におよそ似つかわしくないやり方ですね。鏡筒本体や架台にコストをかけた結果、ファインダーまで手が回らなかったのでしょうか。

あと、ちょっと筒外焦点が長すぎます。

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こんなに飛び出してしまうので、鏡筒の向きによってバランスが変わる赤道儀にはちょっと厳しいですね。
クランプフリーにすると、鏡筒が勝手に動いてしまいますし・・・・

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もっと筒外焦点を短くすれば、中央遮蔽も小さくできるのに、とか思いましたが、鏡筒内に出ているバローレンズの先端を、主鏡の光束に干渉しない位置に置こうとすると、どうしてもこうなってしまいます。
バローと焦点位置にはある程度の距離が必要になりますから・・・・

斜鏡の先に補正レンズを置けばその問題は解決しますが、これでは製作に手間がかかりすぎますし・・・・・
やはり、ギリギリのところでこういう設計になったのだと思います。

ちょっと、小さな欠点をあげつらいましたが、いずれにせよ素晴らしいパッケージングの望遠鏡であることは間違いなさそうです。
今は、大口径のドブソニアンが比較的安価に入手できるようになって、非常に素晴らしい時代になったと言えるのですが、こういう、志のある望遠鏡も、もっと出て欲しいですね!

・・・・でもやっぱり売れないかな(笑)