昨晩、高知県東部某所で「 秘密の実験 」を行っています。

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これは、Hα線の赤色光で、散光星雲を見よう! という企画です。

目が光を感じる細胞は桿体細胞と錐体細胞があって、錐体細胞にはさらに赤・緑・青があります。
それぞれの細胞の感度曲線を示した表を作成してみました。
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これを見ると、見えるか見えないかの暗い星雲を検出しようとするときに大活躍している桿体細胞は、Hα線に対して全く感度を持ってないのがわかります。
われわれが、Hα線を見ようとする場合、赤の錐体細胞の、しかも感度の低い部分を使うことになるので、かなりの光の強さが必要になるわけです。

これが、写真では真っ赤に写る散光星雲が眼視ではほとんど見えない、という理由になっています。
また、M42など一部の明るい星雲で色が見えるのは、錐体細胞が働けるだけの光量があるからですね。

そこで、わたくしは考えました。

Hαの光を赤錐体に見えるレベルまで追加してやれば、馬頭もカリフォルニアも楽勝で見えるのでは?

と。

そして、追加する光を、赤錐体がぎりぎり感じることのできないレベルに抑えて、星雲のわずかな光がある部分だけを感知可能な強さにできれば、黒いバックにに赤い散光星雲の形が見えてくるはずですが・・・・( これは、写真がフィルムだった時代の「 前露光処理 」にヒントを得て考え付きました )成功すると、ちょっとした「 観望革命 」になるはず。

しかし、問題は、どうやってHαを追加するか、です。

今回考えたのは、調光ライトの先にHαラインフィルターを取り付けて、筒先にかざす方法です。
ライトをつけると、視野内がHα光による「 明視野照明 」状態となります。

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これにより、本来人間の目に見えるレベルではない馬頭星雲などの光を、赤錐体で見える強さまで上げる計画です。名づけて「 Hα明視野照明パワー・アシスト法 」!


最初の実験対象は何にするか? やっぱり馬頭星雲ですかね。

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(全然関係ないけど、オリオン座の日周運動。藤井旭著「 天体写真の写し方 」の表紙を思い出しますね)


50cmにイーソス13mm、172倍。この倍率では視野内のバックグラウンドがまだ明るいので、アイピースにYA3フィルター(オレンジ色のローパスフィルター)をつけて、バックを「 漆黒の闇 」にし、散光星雲が見えてきたときにわかりやすくしておきます。

次に、馬頭星雲の場所に望遠鏡を向け、調光ライトを50cmの筒先にかざして、ヴォリュームを最小にしたうえで点灯します。この時点では、視野内は真っ暗、ところどころにフィルターの影響でオレンジ色になった星が見えるだけです。

さて! いよいよ、Hαの光をヴォリュームで少しずつ強くしていきます・・・・!

ほんのりと赤く、馬頭の形が浮かび上がって・・・・・・・ あれ、来ない?

視野内が一様に赤く、「 明視野 」状態になっていくだけです・・・・・・・。
望遠鏡が馬頭の場所に向いてないのかな?

それなら、バラ星雲に向けて、と・・・・これなら星団があるから絶対場所は間違わない。
仕切りなおし! ヴォリューム強くしていって・・・・

ほんのりと赤く、バラの形が浮かび上がって・・・・・・・ 来ない??

同じく、明視野状態が明るくなっていくだけ、バックグラウンドが黒と明視野のボーダー付近のヴォリューム位置を探るも、バラは見えてこず・・・・・
星雲の光に対して、追加の光が相当明るいから、とかでしょうかね。

うーん、やっぱり、そんな甘い話はなかったですか
理論的には可能かな、と思ったんですが・・・・・・とりあえず、この方法ではうまくいかないことだけはわかりました。 何とかうまくいく方法はないだろうか?


・・・・それとも、根本的に何か間違ってますでしょうかね?(笑)

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( 50cmの鏡面に反射したシリウスを狙ってみました)