CELESTRON・SP-140SS です。純シュミット・カメラやフラットシュミットなど、シュミット系光学系の実験用に入手しました!

aa545e36.jpg


この鏡筒は80年代の品で、当時のビクセンのカタログには「 コメットキャッチャー 」として載っています。でも、コメットキャッチャーとはどこにも書いてないので、ハレー彗星ブームにあやかった後付けのネーミングだったんでしょうかね?

f4e8b0fa.jpg


D=140mm、fl=500mm、F3.57 と、かなりの短焦点です。

さて、それはともかく、この望遠鏡は、シュミット・ニュートンという形式になります。
基本的には球面鏡を使ったニュートン式なのですが、筒先に4次非球面の補正板を配して球面収差を補正してあるものです。

では、各所を見ていきます。

補正板は直径140mm。これがシュミット・ニュートンの口径となります。斜鏡は約55mmで中央遮蔽は直径比40%、少し大きいですね。

f5567228.jpg

 96e2c09b.jpg

 
補正板140mmに対し、主鏡径は144mmで4mmほど大きいです。
ということは光量100%のイメージサークルが∮4mmはあるということになります。
やはり、シュミット系は主鏡が大きくなくちゃね! です。

主鏡の厚みは16mmほど。材質は青板でしょうか。

8557219f.jpg

 7d414a17.jpg


光軸修正用に主鏡の中央にセンターマークを打っておきます。

光軸調整をしようとして、「 補正板を外さなければ斜鏡の調整ができない 」という当たり前の事実に気づきました(笑)

補正板おさえのリングを外して、鏡筒を逆さにして振り、ティッシュペーパーに補正板を受けます。

faa0e826.jpg

 d0bef6b1.jpg


補正板はアメリカ製でしたっけ? 側面の仕上げがかなり雑です。材質はこれも青板かな?

ad20f800.jpg


厚みは4mmほど。

補正板を外した状態で斜鏡を調整します

f665285b.jpg

 

主鏡の調整は中央が引きネジ、周囲3方向に押ネジと、斜鏡と同じような形式です
 
55fa8399.jpg

 831a88d3.jpg



主・斜鏡とも調整は六角レンチなので少し面倒ですね。つまみ付きのネジに交換しようかな・・・・・

さて、これを載せる赤道儀は・・・・? と。
今こんなのしかありません。バラバラ状態のSP赤道儀。

32e9c0e1.jpg


何とか組み合わせて、140SSを載せてみました。

9bc5015e.jpg


もともとSP赤道儀に載せて売られていた鏡筒なので、ベストマッチというところでしょうか。
しかし、三脚もフォトガイド用のしかなく、ちょっと底面積が狭くて不安ですね。三角板もないし。
SP用の三脚架台を入手して、もっと広く剛性の高い三脚を製作する必要がありそうです。

さて、この鏡筒を使ったいろいろな実験では、写真撮影をして星像の検証とかをしなければいけないので、モータードライブが必須となります。

そこで例によって、さかいさんオリジナルの「 センサレスベクトル制御・DCモーター 」をもう一つ組み立てることにしました。回路のほうはすでにウォーム144枚仕様に書き換えてもらっています。

6c7280d7.jpg

 0d572882.jpg


明日はステーを作って、SP赤道儀に取り付けたいですね。


*** 追記 ***

夜になって、時々晴れ間が出ていたので、恒星を見てみたら、ものすごいシャープです。
そして・・・ジフラクションリングが、4周目、5周目あたりまでも見えています。
びっくりしました。こんなの見たことありません。

しかし、それは視野中心の20%くらいの話。少しでも中心を外れると、教科書どおりのコマ収差の形に星が肥大しはじめ、最周辺ではものすごいことになります。イーソス13mmをもってしても補正しきれません。明らかに今まで見たどの望遠鏡よりもすごいです。
正直、RFTとしては全く使えないレベルでしょう。

なんて極端な光学系なのでしょうか。最初の最初から面白すぎます!

取りあえず、補正板を主鏡の球心に置いてみたら、この強烈なコマが消えて、全面ジフラクションリング5周! とかなるんでしょうか? いやいや、とんでもない潜在パフォーマンスを秘めた望遠鏡ですね!