笠井トレーディングから最近発売された、 ELS正立双眼装置を入手しました。
http://www.kasai-trading.jp/elsbinoviewer.html

9c64abeb.jpg


右上にあるビニールに入っているのは、専用の0.66倍レデューサー(別売)です。
本体が2個は入りそうなやや大型のケースが付属しています。スポンジを適当に削って、常用アイピースを入れられるようになっているわけですね。

BS双眼装置より少しコンパクトですが、重量は700gとやや重いです。

de5fb1e5.jpg


右側にのみヘリコイドがついていて、これで左右の視度を調節。

2680d015.jpg


目幅調整は左右スライドでおこないますが、動きはちょっと硬いですね。
最初動かなくて困りました(笑)。調整範囲は、58mm~74mmとなります。

61af749f.jpg

 d660049e.jpg


この形式だと目幅調整に伴ってピントが移動しますが、後述するこの双眼装置の構成上やむを得ないところではあります。

本来、こういう新発売のものには手を出さないのですが、この双眼装置は自分が長年切望し、一時は自作まで考えた「 ナイフエッジ光路分割ミラー 」が採用されているのです!

51355a5a.jpg

( 笠井トレーディングのHPより )

つまり、「 反射面のみで構成された双眼装置 」です!

自分は常々「 双眼装置は絶対に双眼望遠鏡の見え味を超えることはできない 」と公言してきましたが、その根拠は、ビームスプリッタ―というガラスブロックを通過することによる象の劣化が避けられないことにあります。

実際に比較観望を続けてきて、それは常に裏付けられてきたわけですが( 双眼装置でも高価なものを比較的Fの暗い対物に使った場合はかなりレベルの高い見え味を示しますが )、ついにそのウィークポイントを克服する製品が現れたわけです。

さらに、この双眼装置はリレーレンズを内蔵することによって、必要光路長「 ゼロ 」という、これまでの双眼装置にはない汎用性もあります。

しかし、問題は、5群7枚ものRのきついレンズで構成されるリレーレンズで、どのくらいの像質劣化が起こるかですね。この辺は実際の観望で確かめてみることとしますが、しばらく天気が悪そうです。
週末辺りには試したいところですが・・・・・