笠井トレーディング、ELS正立双眼装置について、言い忘れたこととか、人に教わったこととか、その他の情報です。

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まず、先日の観望で言い忘れたこと。

この双眼装置は、「 正立 」が大きな特徴です。
したがって、ニュートン式に付けた時も正立像になります(厳密には鏡筒の取り付け角度により左右に角度が発生する)。
ほとんどの人が、ニュートン式を操作する場合は、鏡筒の振りまわしと視野内の星の移動の連動に、倒立像の状態で慣れていると思います。
ですので、人によっては正立像に使いにくさを感じるかもしれません。
( ファインダーの、正立/倒立 でも同じことが言えますが )

次に、ナイフエッジによる光路分割ですが、自分は単純に
反射面のみで構成されているので、収差は発生しない

と考えていたのですが、ある光学設計に詳しい方が教えてくださったところによれば、正確には
収差は発生しないが、回折像は乱れる
でした。

ELS正立双眼装置のように、片側の瞳の形が半月状になると、理論上、エアリーディスクが楕円形になり、ストレール・レシオもやや低下するそうです。
ただ、その方が実際に回折像を光学シミュレーションしてくださったところによれば、劣化はそれほどではないそうなので、改めて望遠鏡で見て確かめようと思っています。

今のところ、ELS正立双眼装置を試したのは14cmF3.57とか30cmF5とかの明るい光学系ばかりでして、これらでは高倍率の性能は今一つだったのですが、10cmF10のような、周辺光束の入射角が浅い光学系なら高倍率もいける可能性が残っています。

ところで、現時点で確実に言えることは、
ELS正立双眼装置は、100倍以下の倍率なら相当明るい光学系でもかなりシャープな像を見せてくれる。
です。

何より、どんな望遠鏡にでも使える無敵の汎用性は、唯一無二と言えますね!