反射望遠鏡に使われている反射鏡は、表面にアルミメッキが施されているのが普通です。
例えばニュートン式では主鏡と斜鏡の2回反射がアルミメッキで行われるのですが、アルミの場合赤の光の反射率が悪く、画面が少し青っぽく、色温度でいうと高くなってしまいます。

そのため、屈折と反射では色の見え方にだいぶ違いが出てきます。
たとえば、二重星団を屈折で見ると色とりどりの星々が美しく見えるのに対し、反射では少し白黒っぽく見えてしまい、この辺の描写は少し不満ですね。

アルミメッキの2回反射は下のグラフでいうと、赤の線の部分になります。
これを見ると、2重星団の彩度が落ちるのもうなずけますね。

2e11e9b1.jpg

( インディゴさんのサイトより 許可をいただいて掲載しています )

そこで、最近では、反射でも屈折並みの彩度を求め、周波数特性のフラットな銀メッキミラー( 青の線 )の利用が始まっています。
「 メガネのマツモト 」の正立ミラー「 EMS 」では早くから銀メッキミラーに取り組まれてましたが、銀メッキのアドバンテージについては、インディゴさんの「 EMS研究 」に詳しいです。
http://imdiygo.la.coocan.jp/EMS_study.htm

以前、双望会で主斜鏡を銀メッキ化したドブソニアンを見せてもらったことがあるのですが、M42や二重星団が圧倒的な彩度とコントラストで描写され、一種のカルチャーショックを受けたことを覚えています。

このように、周波数特性がフラット、反射率も高いと良いことづくめの銀メッキミラーなのですが、唯一の欠点は、腐食しやすい銀の表面を守るためのコーティングにコストがかかるため値段が非常に高いことです。

そこで、ローコストを至上命題としている「 浮気なぼくら 」では、「 アンバーの色温度変換フィルターで、色調を補正し、周波数特性をフラットに する 」という方法を提案します!

アンバーの色温度変換フィルター、具体的には、ケンコーのW2フィルター等が該当します。

44bc033d.jpg



早速、入手してみました。ほんのりとアンバーがかったフィルターです。
右のグラフのように、長波長域になるほど透過率が高い特性になっています。

これと、アルミメッキ2回反射を組み合わせると、赤から青の色まで透過率50%くらいで、だいたいフラットな特性が得られるんじゃないかと想定しています。
もちろん、集光力を半減させることになるのですが、瞳径が5mmくらいの倍率で使えば、バックグラウンドの明るさが瞳径3.5mm相当くらいまで引き締まることになり、特に大口径では実用になると踏んでいるのですが・・・・

W2フィルターは実売価格3000円以下で買えますので、とりあえず、銀メッキよりはかなり安く上がる計算です(笑)。

なぜか、48mmのがなかったので46mmのを買っています。
これを、ステップダウンリングで48mmにすれば、アイピースアダプターや2インチアイピースの48mmネジにつけることができます。

02be3a19.jpg

 1d64abfc.jpg


取りあえず、月で検証です( 30cmF5 PL25mm 60倍 )。

92920582.jpg

 8826721e.jpg

( フィルターなし )                         ( W2フィルター )

色の違いは、写真ではほとんどわからないですね。
眼視では、W2フィルターを通した方がわずかに黄色っぽく見えます。
雰囲気としては月の高度が低い時に黄色っぽく見えるのの程度が軽い感じでしょうか?

ただ、フィルターありのほうがややコントラストがついて見やすいかなとは思いました。
上の画像でもそんな感じに写ってますね。

写真では彩度や色調・コントラスト等は事後の画像処理でどうにでもなりますが、眼視ではリアルタイムの微妙な違いが見え味に大きく影響します。
また、今回W2フィルター使用によって得られたわずかな違い程度では、受け取り方次第の主観的な部分も大きくなると思います。
いわば「 わび・さび 」の思想で自分の心をのぞくような世界に突入するかもしれません。

さて、個人的な一番の目的は、二重星団に色とりどりの星を見ることですが、ひょっとしたら、木星の縞模様あたりも少し見やすくなるかもしれないですね。

W2フィルター、新月期に空の暗いところで二重星団やM42を見て彩度が向上するかどうか確かめたいと思います!