久しぶりに双望会に参加された、愛知のIさんに、「 昔、Civetさんが自作された、ハーシェル・ニュートンの原型を持って来ているんで、見に来ませんか? 」と言われて、「 行く行く! ・・・・いや、待てよ、自分が見るだけじゃもったいない、ロビーへ持って来てみんなに見せようよ! 」ということで持って来てもらいました。

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まず、「 箱がいいですねー 」状態です。時代的には昭和十年代とか戦前のものになると思います。

中村要監修による、子供の科学「 ハーセル・ニュートン式5センチ反射天體望遠鏡 」です!

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ちなみに、ハーセル・ニュートン式とは、Fの暗い球面鏡を軸はずしで使う下のような光路の光学系です。

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( この光路図では斜鏡で鏡筒外に焦点を導いてますが、子供の科学のハーセル・ニュートンでは斜鏡の部分に天頂プリズムを使っています。メッキの劣化しやすい当時ですので、プリズムによる全反射の利用が定番だったでしょう )

当時の広告

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上の広告では卓上型ですが、今回の現物はピラー部分が長いく、直接地面に置いて使える仕様のものです。

経緯台架台、ピラー脚はおそらく真鍮、鏡筒はトタン板を丸めたものに真鍮メッキをしたものでしょうか。

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タンジェント式の水平微動は、スムース&クイック。いまでも十分なパフォーマンスを示していました。

鏡をはずしてみてもらいました。

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残念ながら、当時の銀鏡反応によるメッキ( 銀引き )はほとんどはげ、中央部はガラス状態。しかし、一応像は結ぶので、見えなくはないそうです。

Civet : 「 メッキしたらちゃんとシャープに見えるんじゃない? 」
Iさん : 「いやー、勝手にそういうことしちゃいけないのかなと思って 」
Civet : 「あ、そう言えばそうだね。 ノーマル状態を保っておかないとね、 博物館クラスの逸品だから 」

ってことになりました。

ちなみに、トレーシングペーパーにクレーター名がかかれた月面図などの標準装備品も残っています。

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「 なんでも鑑定団 」ならこれがあるとないとでは大きな違いがある、といわれているところでしょうね。

しかし、素晴らしい望遠鏡です。ちゃんとレストアしたらもの凄くシャープな見え味を示すと思います。

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ちなみに、Civetが以前、この望遠鏡のコンセプトで製作したハーシェル・ニュートンはこのようなものです。

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この望遠鏡も非常にシャープな見え味を示します!