78mmF2,8写真用鏡筒です。

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これはもともと、ケンコー 「NEWスカイステージ」という望遠鏡なのですが、写真用にするにあたって、スライド式接眼部や放物面鏡への換装、主鏡光軸修正装置やレデューサーの追加、斜鏡の大径化によるイメージサークルの確保、などの改造をおこない、こういう写真を撮っていたのですが、


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最近では、まったく使わなくなったので、眼視用に転用していました。


特に主鏡は、7cmに絞り、中央遮蔽もそこそこ大きいので、「 鏡面精度のいいとこ取り 」で使用することになり、推定1/14λ相当の高精度ミラーになっています。
https://blogs.yahoo.co.jp/jzd01063/32697541.html


今夏の原村星まつりで、ビクセンの「 エクステンダーR 2× 」( たぶん新品 )を安く入手していますので、これを取り付けて高倍率の性能を確かめます。

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エクステンダーRは両端に36.4㎜のオスねじとメスねじが切ってあり、接眼部にねじ込む形式です。
焦点距離を2倍にしますので、もともとのfl=280㎜が560㎜になる計算になります。
これに、ペンタックスXO2.5mmをつけた、224倍で月を見ます。

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口径をmmで表した数値の3倍もの過剰倍率ですが、像は崩れません。これで見た月面は非常にシャープ!

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( iPhone5Sのカメラでコリメート撮影 明るさ・コントラスト調整、アンシャープマスク )


さすが、1/14λ相当の高精度ミラーです。
しかし、鏡面精度ももちろんですが、これはエクステンダーRがかなり優秀なレンズであるということも言えます。

もともとの設計は、主鏡「 F5 」用だと思うのですが、今回「 F4 」という明るい光学系に使用して、これほどの良像をたたき出すとは・・・・・

通常のバローのようにスリーブ差し込みではなく、ねじ込み式なので、レンズのセンタリングやスケアリングが、ぴったり合いやすいということもあるでしょうか( 組み付けでそこそこの精度が出るように筺体が工作できている前提ですが )。

ということで、そのままの224倍で月に接近していたアルデバランにて恒星像を確認してみると・・・・・・エアリーディスクがくっきり、さらにそのまわりをディフラクション・リングが2重に取り巻いています! 

さらに、なんとなく3周目もあるような気が・・・・・
いやあ、美しいなあ! これはどこに出しても恥ずかしくない恒星像です。
ディフラクションリング自体は回折像なので、あんまりはっきり出てるのもよくないんでしょうけど・・・・

いや、しかし、エクステンダーR、侮りがたし! です。

ビクセンさん、本当にいいもの作っていたんですね・・・・・