日本の天文アマチュアにとって双眼望遠鏡が一つの選択肢となってしばらくたちます。

もともと双眼望遠鏡というものは、各地の自作愛好家が個々に開発・製作し、実用するにとどまっていたのですが、約20年前に、「 双眼鏡・望遠鏡サミット 」が始まったことで、全国から双眼鏡望遠鏡ファンが集まり情報交換する機会が生まれました。「 メガネのマツモト 」による松本式双眼望遠鏡の製品供給が始まったこともあって双眼望遠鏡が少しずつ改良され、毎年マイナーチェンジ的な変革が見られました。この、サミット開催期間の10年を、「 双眼黎明期 」と位置付けることができるかも知れません。

サミット終了を受け、双望会が開催された次の10年は「 双眼熟成期 」とでも言いますか、松本式の改良が進んで完成度が上がり、特に屈折式の双眼望遠鏡については「 作るもの 」から「 買うもの 」となった感がありました。一挙に普及( といってもごく限られた層ですが )が進んだ時代でしょうか。反面、屈折式の双眼望遠鏡の仕様に大きな動きもなく、定番化が進んでいるかな、と思っていたのですが・・・・・

久々に発展性のある製品の提案、ビノテクノの「 BORG双眼望遠鏡化キット 」です!

a8625af3.jpg


これは先日の、胎内星まつりで展示されていたもの( 自分は行ってないのですが、知り合いが画像を送ってくれました )で、黒いブロックに∮80ネジがあり、ここにBORGの対物レンズが取り付く双眼望遠鏡キットになります。
ボーグの対物レンズと言えば結構バリエーションがありますので、
この範囲であれば、最高107㎜まで、様々な口径、焦点距離の双眼望遠鏡が目的に応じて随時設定できるという画期的なものです。

まだ試作品なので、今後の改良や販売価格が注目ですね。
もともと、1991年にBORGが新発売された最初期にはシステムチャートに双眼望遠鏡(開発中)というバリエーションが掲載されていたのですが、次の広告ではソッコー消えてました(笑)。ビノテクノによって、BORGのシステムに双眼望遠鏡という選択肢が27年を経て復活した、と解釈することもできます。
何という壮大なロマンなのでしょうか!?

さて、少々我田引水となりますが、当方も、対物交換式のコンセプトには2002年ごろ取り組んでおりまして、


 
(BORG10cmF6.4アクロマート仕様)  (ビクセン6cmF15アクロマート仕様)

塩ビパイプで正立ミラーや鏡筒を作った双眼望遠鏡を、塩ビジョイントの汎用性を生かして対物レンズ交換可能にしたものでした。
10cmの集光力で星雲星団、6cmのシャープネスで月・惑星という使い分けでしたが、どちらの用途でも小口径感は否めず、その割に重くてゴテゴテした仕様になってしまいました( 自作あるある 笑 )。現在、完成度も光学性能もはるかに高い既製品が発売されるというのはとても喜ばしい事ですね!

ビノテクノの現行商品としては「 BLANCA102-BINO 」がありますが、EZM( 正立ミラー )、鏡筒連結部などの単体販売もおこなっています。

たとえば、この赤鏡筒は、ゼニスター80( フローライト特別仕様 )とビノテクノ製EZMを用いた自作品です( ただし、この鏡筒は現在絶版となっていますので入手不可能ですが・・・・)。

ce1ad77d.jpg


フローライト双眼は、とある団体からも専務クラスと社員の方がお見えになるほどの圧倒的な性能(笑)

2071b4e4.jpg


このような自作はちょっと・・・と言う方にも、ビノテクノでは様々な鏡筒での特注品にも対応してくれるそうです。

いずれにせよ、「 ビノテクノ BORG双願望遠鏡化キット 」により、双眼望遠鏡の新たな胎動が始まったのでしょうか? それとも単発に過ぎないのでしょうか? 
・・・・・・双眼望遠鏡の、明日はどっちだ?!