さて、約一か月にわたりました、ナイトビジョン運用報告にお付き合いいただい皆さん、ありがとうございました。
本日を持ちまして、NVは所有者のニック青木さんにお返ししましたので、ひとまず簡単なまとめとさせていただきます。 

1 NV最大のメリットはHα観望にあり

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( 個人的な二大感動オブジェクト : バーナードループと網状星雲 )

人間の目が暗順応した時の錐体細胞の感度のピークは、HβやOⅢにあり、この成分が多い惑星状星雲等の観望には好都合なのですが、Hαの部分に全く感度はなく、HⅡ領域の眼視観望は不可能になっていました。
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それに対して、NVでは検出可能帯域が赤外まで伸びているので、もちろんHαにも高い感度を持っており、モノクロ画像ながら、我々の目でHαを観察可能な状態にしてくれます。

これにより、馬頭星雲やカリフォルニア、バーナードループ、エンゼルフィッシュ等、眼視では検出が難しかった対象をいとも簡単に見せてくれるのです。

空の透明度が良い時はもちろん、光害地でもそれなりのパフォーマンスで散光星雲の姿を見せてくれるのは、観望のロケーションを選ばないという意味で、自宅観望に大きな福音となっています。

2 空の条件が悪い時は赤外

赤外線は空気中の水蒸気やチリに散乱されにくく、肉眼での限界等級が2等程度でも、散開星団なら星がたくさん見え、それなりの鑑賞価値を提供してくれます。

また、極端な場合、薄曇り程度なら星座の形をたどることぐらいならできることもあります。

3 もちろん、光の増幅効果もある

NVの光増幅は数万倍レベルですが、天体に使った場合、口径が3倍くらいになった効果かな、と思われました。
ただ、これは完全に体感的な印象なので、今後の検証を待ちたいところです。
( 自分の30cmが1m級の能力を発揮するか? は結局検証できずに終わりました )

4 スナップ写真が撮れる

月面を撮るような感覚で、散光星雲のスナップ写真が撮れます。もちろんスマートフォンのカメラでもOK( 当ブログのNV画像はすべてiPhoneのカメラでコリメート撮影したものです )。
画質は昨今のデジタル画像のラージフォーマットには到底及びませんが、記念撮影程度なら十分です。
数分で100枚単位の画像が得られるので、速写性を生かした新しい天体写真ジャンルが切り開けるかも?

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さて、いかかでしょうか?

今年は、NVの天体観望への応用元年だと信じていますので、これからどんどん普及して、様々な運用方法が考え出され、アマチュアの皆さんの観望ライフがどんどん充実してくと思われます。

日本の天体観望用ナイトビジョンの歴史を作るのはあなただ!