ボーグ65のF6.9よりも明るい光学系というわけで、「ケンコーNEWスカイステージ改・76mmF3.7鏡筒」で電視観望をおこないます。
昨日は、架台の水平を取らずに設置してましたが(マニュアルちゃんと読んでない 笑)、今日はAZ-GTi経緯台に付属している水準器で、しっかり水平出しをした上で、アライメントを行います。
全く、おれってヤツぁ、どうしようもないものぐさだぜよ・・・・・(笑)
あと、フィルターですが、「SVBONY CLS光害カットフィルター」を入れてます。
こういう特性のやつ

本当は、「QUAD BPフィルター」がいいんだろうけど、今品薄で入手できないので、ちょっと傾向の似ている(?)こいつを採用しています。QUAD BPフィルター、31.7mmのが今度出るという話ですので、出たら即買いですね。早くほしいなあ・・・・
さて、ないものねだりから気を取りなおして、いつものM27でスタート。
イメージサークルが周辺減光となって現れている上に、像面湾曲による周辺ピンボケとコマ収差で、周辺像がすごいことになっている!
うーん、放物面鏡を何の補正光学系もいれずに使用すると当然こうなるわけですが、RIの時はセンサー面積が小さいため、中心像だけを使ってて周辺減光も周辺像の悪化も全く問題がなかったのです。
が、センサーがRIの16倍もの面積を持つASI294MCではこのように破綻してしまうんですね。これは以前開発したフラットシュミット(http://uwakinabokura.livedoor.blog/archives/cat_38168.html)の投入か?
まあ、今日はリアルタイム画像処理の練習だからこれでいいか。また最適な光学系は選定しなおすとして、今回はこの円形視野でいきます。
視野の中央部をモニター上で拡大するとこんな感じ。
だいぶ星像がボテッとなってしまいますが、一般ギャラリーにM27の形を確認してもらうにはこのほうがいいかも。周辺減光の部分もカットすることができますしね。
続いて、電視観望では個人的に初の北アメリカ。
網状星雲。
M31は枚数多くライブスタックをしたのでかなり滑らかな感じで出せました。
ちょっと中心をはずれてますけど・・・・
M33はしっかり真ん中に
*ここで、SharpCap 3.2の裏技情報!
3.2は有料なので、有料版の機能であるstretchやライブスタックのヒストグラム上でのカラーバランス調整をおこなうと「ShrapCap Pro Trial」と画面上に表示されます。
↓こんな感じに今は自分の研修期間なので文字が出てても操作が練習できればいいのですが、ブログにアップする画像としてはちょっと見にくい・・・しかし、ここで発見!
操作画面上でライブスタック機能を切った後、数秒はスタック処理後の画像が「ShrapCap Pro Trial」の文字なしに表示されるのです。したがって、その数秒の間にスナップショットを撮れば、取りあえずブログに載せるための「文字なし画像」が得られます。実際、上のM31やM33ではそのようにしました。
しかし、これはあまりにもセコい技な上に、少し気も咎めるので(笑)無料版のSharpCap3.0でも同じような処理ができるかどうか、試しにやってみました。
カリフォルニア星雲では・・・・
あー、じゅうぶんできましたね。しかも、3.2の時より速く処理が進んだ・・・・
実は3.2ではヒストグラムのピークを線で挟む、という操作で追いこんでいくのですが、自分の場合、パソコンのタッチパネルでこの作業を行うのが非常に遅く(マウスにおける「左クリックしたままホールド」に相当する動作が、タッチパネルでうまくできない)、画像最適化の時間を長引かせ、自分のストレスもためることにもなってました。
ところが、3.0では「ピーク挟み」に相当する作業をガンマやコントラスト、ブライトネスのスライドバーで調節していくようになっています。
これ、実際にやってみると、自分の場合はスライドバーの方がタッチパネル操作が格段にやりやすく、また、考え方としてもわかりやすかったです・・・しかし3.2のほうがきめ細かい処理ができそうなので、今後は3.2と3.0を使い分けていこうかな、と。
ハート星雲はカリフォルニアよりだいぶ淡いので、もうちょっと強めに処理してみましたが・・・・
ちなみにライブスタックをしばらくやってくると、視野の回転・追尾ズレ等(設定が適当なことなどによる)によって、上の画像みたいに四角くブラックアウト(?)してきます。
しかし、改めて考えると、視野の回転を検出して像合わせをするなんて、おっそろしくいい仕事をしますね、SharpCapってヤツぁ、おれとは違って・・・・(笑)
こんな感じに練習してましたので、だいぶリアルタイム画像最適化も速くできるようになりました。そろそろ一般向けの実戦投入も可能かな、とも思いましたので、今週どこかの晴れた日に職場で観望会をして「普通の人」の感想を聞いてみようと思います。
また、その模様も近日ご報告の予定!
コメント
コメント一覧 (6)
電子観望奥深いですね。 光学系、ソフト、フィルター等いろいろな項目を選定して最良の像を求めるのは通常の光学系と変わりないですね。いろいろな試み楽しみにしています。
しかし小さな望遠鏡で星雲を観望できるのは本当にいいですね。
uwakinabokura
が
しました
ASI294MC大活躍です! やはりセンサーサイズが大きいというのは、全てにおいて有利ですね。
また、電視観望の特徴として、小さい望遠鏡で済むほかにも、遠征不要、快適な室内でほとんどの作業を行える、など天文ライフそのものを変える要素が多いです。
機材選定に関しては、天体写真でも眼視でもセオリー逸脱を旨としておりましたが、電視観望でも面白い使い方があれば開発していきたいですね!
uwakinabokura
が
しました
そうそう、電観観望は自宅で星雲や暗めの散開星団が見れて、しかも自分は部屋の中でぬくぬくぬくできるっていうのがステキですよねー
RIは、コントローラーのコードが短いので、対象を変えて露出時間とかを変更する時は寒いベランダにでてコントローラーで作業&室内のモニタの向きを変えて遠くから眺めながら設定になりますw
それでもずっと外に出っぱなしに比べると全然いいですけど:D
ご自宅からたくさん星雲見れるの羨ましいです。ウチはどうも明るめの星雲しか無理っぽく....設定が悪いのかな?
シベットさんのレポート参考にさせていただきます!
uwakinabokura
が
しました
ベランダ+室内観望が実現して、天文キャリア中最大のブレークスルーを迎えています!
ASI294MC+SharpCapのパフォーマンスをもってすれば、日本中ほとんどの光害地で多くの星雲があぶりだせると思います。Samさんが言われているように、ヒストグラムのピークを2本の線ではさむのがポイントのようです。
ただ、正直、自分もまだよくわかってなくて、誤解していたり失敗したりをそのままブログに載せて同じ問題で悩んでいる方の助けになればと思っています!
uwakinabokura
が
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白色LEDは可視光域全体で(強弱はあるものの)連続スペクトルで、東京23区内ではOIIIもかなり厳しい状態になっています。一方Hαは可視光から外れ始めているので結構良いですね。
そのため、デジタルカメラ(電観観望)でも、OIII域は今後かなり厳しくなると思います。いたちごっこですね・・・
uwakinabokura
が
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知り合いの車屋さんが、車を照らす照明をLEDに換えたところ、照らせる範囲が狭いらしく、展示車を今まで通りに照らすため増設を余儀なくされて、電気代以上にお金がかかった、って言ってました。LED照明がかなり指向性が強いとすれば、下を向けている限り、空への影響は今までより少なくて済むかもしれません。
しかし、ご指摘の通り、白色LEDの連続スペクトルは、せっかくのナローバンドフィルターの効果も半減ですね。照明に傘をつけるだけでいいのに、といつも思います。
uwakinabokura
が
しました