先日、当方在住の市中心部にある科学館の方に電視観望を見てもらうべくお邪魔しておりました。


この科学館は市街地のど真ん中にある公共施設に続しているのですが、プラネタリウムも備え付けられており、屋上で定期的な観望会も行っているとのことでしたので、電視観望がその助けになるかどうか見てもらいに行っていました(と言うかこっちから連絡して無理やり押しかけた形)。
持って行ったのは、「ミザールBN-80 改 + ASI294MC + AZ-GTi」のいつものセットです。市街地なので周りからいろんな光が入ってくるのを警戒して、黒画用紙をフードに巻きつけて「長フード」としているのが、何とも言えないチープな風合いを醸し出しています(笑)。
屋上からは市街地が一望でき、夜景としては素晴らしいですが、観望となると対象天体が大幅な制約を受ける条件と言えます。

通常、観望会では、この屋上に100人もの方が集まると聞いてビックリ、望遠鏡はタカハシのEM-11 Tenma仕様に載った12cm屈折(たぶん・・・TSA120)が2台、45分の観望会で何とか全員に望遠鏡の順番がまわってくるとのことでした。
忙しい中、ブラネタリウムの解説を担当しているという学芸員さんが男女1名ずつのお二人で対応してくださいました。
話をしながら(というか一方的にしゃべりながら)、AZ-GTiのアライメントや、鏡筒のピント合わせを済ませ、ちょうど満月の晩でしたので、輝度の高いM57から。
しかし、さすが、プロ。特に感嘆することもなく、黙って見定めています(写真を撮ったりはしてくれてました)。沈黙に堪えられなくなったわたくしが一方的に説明したり、施設の運営等についてこっちから質問するのみ(笑)。
続いて、M27
ちなみに、この画像処理の間お待たせすることになるので、学芸員のお二人には星座を見るためのアイテムとして、Nikon TC-E2テレコンビノと、ケンコーCD-20T (単眼)を紹介し、これで星座を見てもらっていました。
当日、この施設の屋上は、「市街中心の光害+満月」で2等星が見えるか見えないか・・・の条件だったので、正直、星座も分からないのですが、これらの星座観察アイテムで見ると、はくちょう座とかが分かるということで感心してもらえました・・・・ある意味、電視観望より受けたかも
次は北アメリカ星雲。これはかなり苦しかったですが、何とかうっすらと形をとらえます。

この時点では、「ZWO Duo-band filter」をまだ持ってなかったので、光害カットフィルターのみ使用ですが、Duo-Bandが当日あればもっとちゃんと見えていただろうにと悔やまれます。ただ、逆にこれだけの悪条件でも北アメリカが見えるんだと、電視のパフォーマンスの高さを感じる機会にもなりました。
さて、北アメリカの画像処理をしている間に、どんどん曇ってきたのですが、空が空気を読んで? 北アメリカの部分だけ晴れ間を残してくれていました(笑)。あまりお時間を取らせてもいけないので、この辺で終了。
観望会などでは、望遠鏡の待ち時間にギャラリーの方が複数人数見られるだとか、この空の条件でDSOが見られるのは電視観望のみ(厳密にはナイトビジョンでもいけますが)、などのアドバンテージを説きつつ、機材撤収。
もし、この観望形態に利用価値があると判断してくださるなら、オファーをいただければいつでも参上しますのでご検討ください、と一方的にボールを投げ、対応にお礼を言って施設を後にしました。
まあ、公共施設なので年間計画と言うものがあり、自分たちの企画に異質なコンセプトの者が中途乱入するのは、困る側面もありますので、声がかかる可能性は低いですけれども。
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これまで、自分が星を見るために活動し、そのための自分勝手な機材を作ったり使ったりしてきましたが、電視観望では初めて「人に見てもらう」をコンセプトにシステム構築をおこなっています。そのためにはいろいろな人に見ていただく機会をできるだけ多くして方向性を見定めることが必要なので、今後も機会を見つけては、各方面で電視観望のデモンストレーションに努める予定!
コメント
コメント一覧 (2)
科学館の方の反応、わかる気がします。
なかなか受け入れられない時は辛いものです。
でもいつか絶対にわかってくれる人が出てくるはずです。
こういった地道な活動が重要なのかと思います。
uwakinabokura
が
しました