今回は、ミザールBN-80 改 8cmF5鏡筒に2倍バローをつけたF10の光学系が、ASI294MCでの電視観望で運用可能かどうかを検証しました。

もともと、fl=400mmでは、視直径の小さな惑星状星雲や銀河のスケールの小ささに不満がありました。
そこで、一挙に30㎝F5、fl=1500mmまで焦点距離を伸ばすことを考えたのですが、電視観望の本来の目的が出来るだけ多くの一般ギャラリーに見ていただくことにある以上、いろんな場所への持ち運びが伴いますので、システムの大型化や複雑化は極力避けたいところです。

そこで、望遠鏡は小さいまま焦点距離を伸ばす方法として、2倍バローを使い、F値が倍になるのを露出時間を4倍にすることで電視観望の速写性や信頼性(使いやすさ)がどのように体感されるのか知るのが今回の目的です。

今日は月もなく、肉眼での限界等級は3等程度。自宅ベランダとしては悪くない条件です。フィルターはZWO Duo-Band filter を使用しています。

まずは、M27、輝度が高いので4秒露出で何とか行けますね。
IMG_5660
fl=  800mmはそれなりにスケールが大きくできます。反面、fl=400mmの半分しか画角がなくなるので、AZ-GTiによる自動導入が心配だったのですが、何とか視野の端っこには引っかかってくれ、一安心。
中央拡大
IMG_5661
うーん、しかし、あんまり解像度が上がった感じはないなあ・・・まあ、色は良く出てますが・・・

続いてNGC7293。やっぱりこういう淡い対象だと、露出16秒が必要でした。これだと処理もライブスタックも時間がかかります。
IMG_5662
まあ、大きくは写ってますね。

拡大すると・・・・・
IMG_5663
まあ、悪くはないんですが、これって先日fl=400mmで撮った分↓ の中央拡大と
IMG_5626
見えてる内容はそんなに変わらないんじゃ・・・これでは画角を狭くて使いにくいわ、処理に時間がかかってギャラリーを待たせるわ、であんまりメリットがない気が・・・・

結論としては、2倍バローで天体のスケール拡しても、そんなに天体細部の検出は向上せず、その割には使いこなしが難しく作業時間が増加するため、一般向け観望には向いてない、ですね。
(自分自身が納得いくまで限界に挑戦する課題としては面白いとは思います)

これだったら、15㎝F5反射を使った方がいいと思いました。AZ-GTiに搭載可能な軽量15㎝鏡筒を製作する必要があるでしょうか。

さて、2倍バローの実用性は早々に見切りましたので、ここまで。
引き続き、fl=400のF5に戻して、UV/IRフィルターのみで銀河や反射星雲の等の連続スペクトル物の検証に移りました。

次回更新に続く!