ミザールBN-80 改 8cmF5鏡筒、ASI294MC、AZ-GTi経緯台 + ZWO Duo-Band Filter による電視観望にて、冬のHⅡ領域、超新星残骸等を写し出します。
今回は、ZWO Duo-Band Filter の威力が全開の記事になっております!

例えば、これは前回更新での「予告」にもあったカリフォルニア星雲ですが、
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このきめ細かい水素ガスの流れの描写は、ZWO Duo-Band Filterのようなナローバンド系フィルターならではのものでしょう。つくづく、眼視でも写真でも、電視観望でも、干渉フィルターの恩恵は計り知れないですね。

M1
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やっぱり小さいですね。拡大しても厳しいか・・・
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しかも変なノイズ入ってるし(笑)。

続いて、馬頭星雲。
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左側の淡いところを始めて表現できました。

馬頭の部分を拡大して見ますと・・・・
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うん、これならちゃんと馬の頭に見えますよね! ここで「輝線星雲をバックに浮かび上がった暗黒星雲が、偶然、馬の頭に似た形になっているものです!」と架空のギャラリーにいつもの説明をしました。

ここで、空が比較的良い(といっても限界等級3等+? くらい)ので思い切って16秒まで露出時間をのばしてM42に向けてみますと・・・・
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おお! 今までにないくらいM42の周辺部が出てきました! しかも42とNGC 1973の間に暗黒星雲がたなびいてる風に見えますね! 

そしてNGC 1973部分を拡大してみますと・・・
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ここは反射星雲かと思っていたんですが、HⅡ領域も含まれているんですね。フィルターにより相対的に赤色の成分が持ち上げられて、美しいグラディエーションになりました。

ばら星雲はと言うと・・・・
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今回初めて、画面でいうと右上の部分に広がっている淡い部分も捉えることができました。

水素ガスの流れの諧調の美しさは、Duo-Band filter ならではでしょうか。

いやー、HⅡ領域って本当にいいものですね

というわけで最後に、今回一番気に行った構図。
さて、これは何でしょうか?

バーナードループ

正解は・・・・・











M78(右下)とバーナードループの一部、です!

なんでも、バーナードループってもともと超新星残骸なんだけど、大昔のやつなんでもう勢いがなくなって自力では発光しなくなり、近くの星の紫外線を受けて電離・発光するという、HⅡ領域のパターンになっているんだそうな。水素のガスが光るのもいろいろ大変なんですね・・・・


それでは、3回にわたってお届けしました、ミザールBN-80 改 8cmF5鏡筒のさまざまな運用を終了いたします! お付き合いくださった皆様、ありがとうございました!