CMOSカメラの広い感光帯域を生かした”Hα~赤外電視観望”が実用できないかと考えています。

先日、R64フィルターに広角~標準焦点距離のカメラレンズを利用した検証では、「中の下」くらいの結果しか得られませんでしたが、その最大の理由が、「画面全体で三色バランスをフラットにできない」でした。ですので、今回、中望遠くらいの焦点距離(8cmF4 合成fl=320mm)で周辺色減光を目立たなくできないか、というものです。

使用したフィルターは52mm径のR1フィルターです。
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なぜ、先日使ったR64じゃないかと言うと、それは55mmのため、カメラアダプタ内に入らなかったからです。「R1」は(たぶん)「R60」相当だと思いますが、下のグラフに強引に該当させると
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650nm付近を50%程度しか透過しないR64に対して、90%近くを透過させており、”Hα~赤外電視観望”にはむしろ最適では? と思ったこともあります。
さっそく、「ミザールBN-80改・8cmF4屈折+AZ-GTi経緯台+SharpCap」にてベランダ電視観望で検証します。

まず、M45でピント合わせ。
R60M45
あれ? あれ? ピントが合わない?
どうやっても上の画像以下に星像を小さくすることができません。

あー、そうか、”Hα~赤外電視観望”で使いたい、650~900nmくらいの周波数範囲での色収差が普通の眼視用アクロマートでは補正されていないんですね。まあ、よく考えたら当たり前です。
カメラレンズの時はちゃんとピントが来たのですが、人間の目より感光帯域が広い写真用のレンズはさすが、赤外域まで収差補正が考えられているということでしょうか?

と言うことで、今回は検証の初期段階で中断。
今後、反射系対物でリトライですが、レデューサーが2枚玉アクロマートなので、その影響がどう出るかに結果は左右されそうです。