今回は、望遠ズームレンズ(シグマ200-55mm F5.6-4)による電視観望をおこないます。
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カメラレンズを使用した電視観望は以前、三脚に載せただけの固定でやりましたが、焦点距離が長くなってくると導入もままならなかったので、鉄のL字金具に小型のアリ型を取り付け、AZ-Gtiでの自動導入が利用できるようにしています。
ちなみに、このL字金具はちゃんと90°になってなかったため、金づちで叩いて90°に調整するのに苦労しました。

「シグマ200-55mm+STC Astro Duo NarrowBand Filter+ASI294MC+AZ-GTi経緯台+SharpCap」の電視観望システムになります。ズームは200mmF5.6で使いますが、この焦点距離では視直径の小さな銀河や惑星状星雲は厳しいので、対象はほぼHⅡ領域限定となります。

馬頭星雲とM42
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この2つを収めるのにちょどよい画角ですね。月齢10で月も大きいことを割り引いても写りもまあまあ。

拡大したら、「馬の頭」っていう説明も何とかできそうですし。
batoukakudai

ばら星雲はちょっと小さいかな
bara
まあ、だいたいは想定通りの写り方でしたが、一つ問題が・・・それは

露出時間が長くかかる

です。8cmF4なら4~8秒で済んでいたものが、倍の8~16秒はかかってしまいます。
たとえばカリフォルニア星雲だと↓8秒露出

calfornia8s
↓16秒露出
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やっぱり8秒では物足りないので、16秒かけたいところですね。でもこれが8cmF4だと8秒で十分なのです。

このレンズはF5.6なので倍かかって当たり前と言えば当たり前なのですが、時間も単純に倍になるためライブスタック枚数をかせぐ間の待ち時間が長すぎる!
時間がもったいないのでギターの弦交換を並行してやったりしました・・・まあ、こんなことができるのも自宅でのベランダ観望ならではなのですが。

とにかく、自宅ならともかく、ギャラリーに見せる時にこんなに時間かけてられないので、レンズも200mmF4くらいのものを使って「時短」をおこないたいところですね。キャノンマウントでオートフォーカスが壊れたジャンクレンズでできるだけFが明るいやつ、1000円くらいで売ってないだろうか(笑)。

あと、まあ一通りは見ました。今一つあぶりだせてないのもあるし、処理の仕上がりもまちまちですが、月齢10での見え方の記録のために一応載せておきます。基本的に16秒露出です。

バーナードループ
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コーン星雲
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まが玉星雲
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ハート星雲
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ソウル星雲
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下の赤い障害物は当家の屋根が入ったものです。

ちなみに、エンゼルフィッシュもやろうとしましたが全然出ませんでした。
また、当然のことながら「魔女の横顔」も同様。

さて、今回の望遠レンズによる電視観望システム、コンパクトでよいのですが、F5.6では個人的に厳しかったです。もう少し明るいレンズが必須ではありますね。
ハードオフでも行ってみますかな。