電視観望をスピーディに展開するための明るい望遠レンズが欲しいなと思っていたのですが、よく考えてみたら、こんなレンズを持っていました。
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往年の、Pentax Super-Takumar 105mmF2.8です。F2.8なら電視観望の「時短」をおこなうのに文句のない明るさと言えますね。

このレンズは、ペンタックスSシリーズのスクリューマウントをキャノンのEFマウントにつけるアダプターを介して現在でも使うことができます。
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ちなみに、同じスーパータクマーの50mmF1.4からは放射線が検出されたのですが、この105mmでは検出されませんでしたので、トリウムレンズは使われてないようです。

しかし、このレンズは以前EOSで使ったときに、F3.5まで絞っても今一つシャープでなかったので、少し不安もあります。その時の画像↓
105mm bara
(絞りF3.5 無改造カメラにて、ノーフィルター1分、R64フィルター1分の合計2分 一枚画像)

とりあえずシステムを組みます。
「スーパータクマー105mmF2.8+STC Astro Duo NarrowBand Filter+ASI294MC+AZ-GTi経緯台+SharpCap」です。
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残念ながら本日はほぼ曇っていて、月さえもこの有様なのですが
moon
何とかシリウスを導入してピントが出るのを確認します(中央にかすかに見えるのがシリウス)。
sirius
ディスプレイ上で800%に拡大したところ、まあまあシャープなようです。
sirius kakudai 800%

この辺は、STC Astro Duo NarrowBand Filter による収差減少の効果が出ているのかもしれません。

ピント位置は無限大(∞)ではなく
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少し繰り出した30ftくらいの位置になります。よく考えたら「M42スクリュー→EFマウント」のアダプタがフランジバック設定とか考慮されてないやつでした。
そう考えるとピント出てよかったですが、「Rマーク」がこんなに離れてるということは赤外域ではピントがずれるということですね。赤外観望への使用は厳しいかな。

さて、周辺像を見るために、画面の右下の端っこに輝星(リゲル)を入れて800%に拡大してみたところ
riger2 migisiat
やや星像は肥大するものの、全然問題ないレベルですね。
これは「全面ピンポイント」がかなり期待できます。まあ、考えてみればもともとこのレンズの設計は35mmフルサイズ用ですから、ASI294MCのセンサーサイズは面積比でその半分に過ぎず、周辺像のよさも当たり前と言えば当たり前です。

さて、オリオン座あたりの一瞬の晴れ間を狙って4秒露出!
m42 1
お! いいですね。燃える木も馬頭もばっちり出てます。単純計算では、F5.6における16秒露出と同等になるはずです。
一枚画像の4秒露出でこれなら、ライブスタックしながらのその後の処理で明瞭にあぶり出せるパターンですね。

さらに、画角的には、三ツ星からM42まで余裕で写野に入るシュミットカメラ的な広さを持っています。
バーナードループやエンゼルフィッシュもいけそうですね。

このように、古い機材を引っ張り出してきて試した結果、実用性がありそうだととてもうれしいものです。

さて、スーパータクマ―105mmF2.8の今後のパフォーマンスはどう展開する!?