AZ-GTi経緯台は最大搭載可能重量約5kgとのことです。その言葉通り総重量4.4kgSP140SSの搭載は全く問題ありませんでした。今回は総重量約6㎏のGINJI150FN一式でもAZ-GTi経緯台による電視観望が可能かどうかを検証してみます。

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 GINJI150FN+クローズアップレンズNo4+STC Astro Duo NarrowBand FilterASI294MCAZ-GTi経緯台+SharpCap」で電視観望スタート。GINJI150FN15cmF4ですが、これにクローズアップレンズNo4をレデューサーとして使うことで合成F3.3、合成fl=500mm程度になっていると思われます。

 月齢は13、限界等級2等程度の条件です。


ばら星雲

bara ginji2
馬頭星雲

batou 

電視観望としては問題なく行えていますが、視野中心に円形のカブリが出ていますね。

m42 ginji
これは他の鏡筒の時にはなかった症状で、筒先からの迷光を考えて長いフードをつけてみたり、鏡筒のお尻の部分、つまり主鏡のまわりを黒画用紙でおおって(GINJI150FNは筒先からのぞき込むと主鏡セル鏡筒のすき間から外の光が入っているのがわかる)みたりしましたが、状況は変わらず。今のところ原因不明です。

 

架台の動作の面では、何とか搭載可能と言えます。AZ-GTi経緯台はクランプの効きが悪く、重量物を載せると自動導入や追尾が滑るのではないかという懸念がありましたが問題なく天体が導入できており、この点はクリアしています。

 

ただし、片持ち式のためバランスを崩しやすく、鏡筒側に少し押すだけで倒れそうになるのが不安ですね。鏡筒の反対側にM12ボルトがねじ込めるようになっているので、これを利用してカウンターウエイトをつければいいのでしょうけれど、そうすると架台全体にさらなる重量の負担をかけることになるのでちょっと考えどころです。

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(この画像だと手前の方に倒れそうになる)


さて、GINJI150FNSP140SSを比べてみると

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わずかに1cmの口径の違いなのですが、140SSの方が圧倒的にコンパクトなのがわかります(総重量も4.4kg)。というわけで、GINJI150FNAZ-GTi経緯台に搭載して使えなくもないですけど、個人的には電視観望では140SSを使うことになると思います。


AZ-GTi経緯台に搭載する鏡筒を検討しておられる方の参考になれば幸いですが、GINJI150FNを載せる場合は転倒に注意してあくまで自己責任でお願いいたします。

 

まあしかし、


裏技を駆使し、過積載の鏡筒を非力な架台で無理やり運用する


は、3040年前の天文アマチュアの定番でしたので、この懐かしすぎるベクトルで運用方法を突き詰めていくのも天文趣味の醍醐味と信じています(笑)。

 

その一例と言いますか、すでにLambdaさんによりSE200N20cmF5鏡筒AZ-GTi経緯台に載せる運用が可能になっています。かなり覚悟を決めた改造が必要になりますが(笑)。


覚悟を決めた作例と言えば、AZ-GTi経緯台の精度・剛性アップにM87JETさんの素晴らしいチャレンジもありますね。

これぞATMerの鑑!