電視観望でシュミット・カメラ的な明るさと広視野を得るために、CanonFDレンズの85mmF1.2が欲しいな、と思って探していたのですが、中古でもまだ8~9万円はしてしまいますね。これじゃあ、プアマンズ・シュミットカメラとは言えないなあ、と思っていたら・・・・こんなんありました。

目を疑うような低価格とスペック、もちろんフォーカスも絞りもマニュアルですが、その分低コストならば天体用としてはむしろ望むところです。

何と言っても特筆すべきは、F1.8の明るさ。
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F1.2とまでは行きませんでしたが、F1.8でもF2.8と比べると1/2.4の露出時間で済む計算。電視観望用としては必要十分に明るいと言えます。

非球面採用(!)のレンズ口径は、85mm÷1.8で47mmもの大口径。
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フィルターサイズは55mmですが、筒先に55mm→48mmのステップダウンリングを介して各種の48mm
フィルターを取り付ける予定。ギリギリ口径食を起こさないサイズです。

ASI294MCにはCanonEOS用のTマウントアダプタで取り付け。
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さて、これで目指すは当然、沼澤茂美さんの
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ですよね!

この写真集で駆使されている、沼澤さんのセレストロン20cmF1.5シュミットカメラには
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∮55mmの円形フィルムホルダーが付いていて、画角は9°くらいになるでしょうか。たとえば、おうし座の超新星残骸、シメイズ147が余裕を持って入るくらいの広さですね。
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そうそう、こういう反転画像もカッコいいんですよね・・・・

ちなみに、センサーサイズが19.1mm×13.0mmのASI294MCに85mmのレンズをつけると、画角がだいたい、11°×7.5°くらいになるので、面積比ではやや広いくらいの範囲がカバーできる皮算用です。もちろん、まだ見ぬ強豪、シメイズ147もHα3.5nmでやっつける計画なのですが、全景が完全に視野内に収まる予定!

しかし、値段が値段なので、星を写した場合にどうなるか、完全に未知数ではあります。ひょっとしてHα単色光でさえ使い物にならないかもしれません。逆に、実用性のあるものだったとしたら、本当に、電視観望におけるシュミット・カメラ的な運用がものすごいコストパフォーマンスで実現してしまうことになります。

果たして、このレンズは賞月観星的な「廉価の逸品」なのか、それとも・・・・・緊迫の「実践編」は晴れ次第、敢行いたします!