サイトロン Quad BP(クアッド バンドパス)フィルターが、HⅡ領域や小宇宙(銀河)の両方に優れたパフォーマンスを発揮することがわかったので、次にデュアル・ナローバンドフィルターとしては不得意分野と思われる、散開星団や、反射星雲についての適正を見ることにします。
いつもの「SP140SS+クローズアップレンズNo4(合成fl=437mm、合成F3.1 仕様)+ ASI294MC + AZ-GTi経緯台+SharpCap」での検証になります。
成り行きで使い始めたSP140SS鏡筒ですが、ノーマルAZ-GTiで問題なく使えるギリギリの大口径、元々のF値が明るい(F3.57)など、最近は電視観望に最適の鏡筒ではないだろうかという気さえしてきています。
さて、今日は月齢11、月明かりがかなりあり、透明度も少し悪いのですが何とか2等星は見える条件です。
さて、散開星団と反射星雲の両方が同時に見られる、と言えばやはりプレアデスですが

まあ、率直に言って今一つですかね。SVBONY CLSの方が良い結果だったように思います。ただ、月が近くてQBP使用でもバックのカブリがかなりあり、4秒露出が限界でしたので、まだ優劣はつけられないかも。
あと散開星団で、M35とかぎょしゃ座のとかも見ようと思いましたが、これらは月明りでバックグラウンドがあまりにも明るく、今日は見送り。
M44プレセペが何とか4秒露出で。

うーん、やはり電視観望における散開星団は星の色がカラフルに出てほしいのですが、デュアル・ナローバンド独特の「2色」に留まっていますね。散開星団の星の色の再現に関しては、SVBONY CLSに軍配が上がるようです。
そう言えば、反射星雲と言えばM78がありました。4秒露出。
球状星団はどうかな、でM79、4秒露出
ああ、悪くないですね。
昇ってきたばかりでかなり低空のM3、8秒露出。
とりあえず、今日のところはQBPにて散開星団や反射星雲では目を見張るような結果は得られませんでしたが、球状星団についての適性はありそうでした。
で、小宇宙(銀河)に関しては先日非常によく見えたので、今日の条件ではどれくらいかを見るために、対象を小宇宙にスイッチ。
M96、8秒。
ふくろう星雲とサーフボード銀河
これまた昇ってきたばかり、低空のM104ソンブレロ 8秒。
そして、今日の圧巻はM81、82 8秒。
さらに部分拡大すると、M82の不規則構造と
とにかく、少々条件が悪くても小宇宙(銀河)なら、良く見えますね。やはり、QBPの得意な対象と言えるかもしれません。
現状、暫定的にQBPのパフォーマンスを5段階評価しますと
HⅡ領域・惑星状星雲 :5
小宇宙(銀河)・球状星団 :4
反射星雲 :3
散開星団 :2
超新星残骸 :5(推定)
という通信簿になるでしょうか。自分の使ったフィルターのなかでは、様々な天体に対するトータルの汎用性でNo.1と言えます。特にHⅡ領域と小宇宙が両方いければ、対象によっていちいちフィルターを交換する手間が省け、その「時短」たいする貢献ははかりしれません!
電視観望用にフィルターを一枚だけ買うとしたら、「QBP」か「SVBONY CLS」の2択になるでしょうか。まあ、しかしフィルターをいろいろ試すのが電視の最大の楽しみのような気がしてきておりますので、「一枚だけ」とかあり得ないか・・・・いや、沼に入る最初の一枚、と言うべきでしたね(笑)。
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