ASI294MCを電視観望に使うとき、「ビニング」で感度が上がるかどうかを検証してみました。

ビニングとは複数の画素を一つの画素に見立てて微弱光を検出したりフレームレートを早くしたりすることのようですが、私的な興味はこれをやると天体の写りがいいのか? という一点になります。
ASI294MCでは通常の1ビニングから、2,3,4と増やすことができるようです。

もちろん、これをやると解像度を犠牲にすることになるのですが、先日使ったPENTAX 6x7 165mm F2.8の絞り開放では、どうしても星像がボテッとしてしまうので、どうせ解像度が悪いなら、せめて高感度でハイスピードを狙う手もあるかな? と思ったものです。

数十年前に、トライXをパンドール20℃15分のとこ30分ぐらい漬けた時の気分ですね(笑)。

さっそくやってみます。空は肉眼での限界等級2等+ぐらいの条件
「 PENTAX 6x7 165mm F2.8 + STC AstoroDuoNarrowbandフィルター + ASI294MC + Sharpcap 」にて、M8、M20あたりを8秒露出で。20枚前後をlivestack、Sharpcapでの処理は色調他条件を一緒にするため全てオートストレッチでおこないました。

↓1ビニングから順番に
m8 8s 1
↓2ビニング
m8 8s 2
↓3ビニング
m8 8s 3
↓4ビニング
m8 8s 4
・・・・?! 
これ、全然変わらないんじゃ・・・・?

ちなみに、Sharpcapの表示をフル視野から800%にして部分拡大(M20付近)してみると・・

↓1ビニング
m8 8s 1 k
↓2ビニング
m8 8s 2k
↓3ビニング
m8 8s 3k
↓4ビニング
m8 8s 4k
うーん、このレンズのシャープネスでは4ビニングでちょうどよいくらいみたいですね。しかし、それならそれで解像度を犠牲にしたぶん、感度がすごく上がってもらいたかったです。せめて、M20の青い反射星雲とか出て欲しかったな・・・

理由は良く分からないのですが、このように絶対的な光量が不足気味の天体にはビニングによる検出力向上の効果は見出し難い、という寂しい経験則を得たのみで終わりました。

なかなか、うまい話はないなあ・・・・