今回も2台のSV305を使い、電視観望に使った場合の両者の性能ばらつきを調べます。
IMG_6604
この2つのSV305を今回取り付ける鏡筒は、ミード20cmシュミカセの5cmファインダーです。
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これは、レンズをビクセン光学製のノンコート5cmF5アクロマートに換装してありますが、これにより正立プリズムの光路長をかせぎ、50cmの90°対空ファインダーにしていたものです。

今回、これにRevolutionImeger付属の0.5×レデューサーをつけてみたところ、拡大率0.56倍、合成fl=140mm、合成F2.8という非常に明るい光学系となったので、やや感度に不安のあるSV305のをカバーするつもりでこれを使うことにしました。さらに、フィルターはサイトロンQBPを使用。空の条件はいつものように限界等級2等程度です。

まず、SV305はシベット号を使い、M13、16秒露出
m13 16s 30stac
どうしても横縞ノイズが出るので、バックグラウンドを暗めにしたり色調を整えたり、いろんな手を使って目立たないようにしています。
青緑の光にピントを合わせてますので、赤ハロが出ています。しかも接眼部が垂れ下がっているらしく、赤ハロが偏ってますね。

ま、今回は光学系の検証ではないので、その辺はそれなりでいいわけです。明るさと焦点距離の短さを最優先で光学系を選定しています。

さて、続いて同じ条件で、SV305をLambda号に交換して、同じくM13、16秒露出。
lm13 16s 27stac
・・・・同じですね。
先日のノイズの出方に続いて、電視観望に使ったときでも、現在手元にある、シベット号とLambda号の2台のSV305は同等の性能を示しました。少なくともこの2台については性能のばらつきは少ない、ということが言えそうです。

しかし、F2.8の明るさで16秒も露出がかかるとは・・・ASI294MCと比べて感度はかなり低い気がします。

それに加え、あんまり星の数が写ってないもんだから、SharpCapのlivestackが成立しにくいです。上のM13も8秒露出ではlivestackができませでしたので16秒まで露出を延ばしています。

さて、2台に差はないことがわかりましたので、あとはSV305の電視観望における性能をいくつかの天体で見て行きます。

M97、16秒露出
lm97 16s 20stac
ふくろう星雲の周辺部の赤色が出てないですね。やっぱりHαの感度が低いでしょうか。
あと、これもなかなかlivestackがうまくいかなくて結構大変でした。これも37スタックは成功していますが、22フレームは無視されています。

しかし、それはまだいいほうで、M104みたいに周りに明るい星が少ないと、livestackができませんでした。ですので、M104、16秒露出は1枚画像です。
m104 16s 1stack
この後「しし座トリプレット」にも向けましたが、やはりlivestackが出来ませんでした。

HⅡ領域も見ておかなければなりません。
北アメリカ星雲、16秒露出
lkitaamerika 16s 23stc
F2.8の光学系を使い、16秒露出でこの程度の写りなら、Hαの感度はかなり低いと言わざるを得ません。何と言っても強調処理により、星雲の構造より横縞ノイズのコントラストの方が強く出る有様。

露出を倍に延ばして32秒。
lkitaamerika 32s10stack
まだ、露出不足ですね。しかしこれ以上露出を延ばすと、電視観望としては実用性にクエスチョン・マークがついてしまいます。

M57で終了。これは8秒露出。スクリーンショットに余計な画面が入ってしまいました。
lm57 10stack
M57にまで赤ハロがついていたのには笑いました。
あと、北アメリカやM57は視野内に明るい星が多く、Livestackが成立しやすかったです。

さて、とりあえず、SV305の性能ばらつきはなさそうだ、とは分かったのですが、電視観望に使うCMOSカメラとしては弱い面がいくつかあると思いました。すなわち、

SV305電視観望三重苦
1 低照度で盛大な横縞ノイズが出る
2 絶対的な感度が低い。さらに赤の彩度も低いかもしれない
3 画面に写る星の数が少ないので、Livestackが成立しにくい

とでも言いましょうか。今後解消していける部分もあるのでしょうかね。

いずれにせよ、SV305の検証はまだまだ続きます!