先日、Samさん主催の「P.S.T.分解会議」に参加してきました。
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これは、Samさんが新たに入手した2台目の太陽望遠鏡、「P.S.T.」を会議上で分解していくという超マニアックな企画です。実は、P.S.T.の分解が数年来の懸案となっておりまして、その自分が参加しなくて、だれが参加する! ぐらいの勢いでエントリーしています(笑)。

ここでご注意いただきたいのですが、P.S.T.を分解するのは大きな危険が伴いますので、最高レベルの非推奨事項です。太陽観測を安全に行うためにメーカーが責任を持って太陽専用望遠鏡としてデザインし、中途半端な知識で改造されるのを防ぐため、各パーツを接着して世に送り出している、そのコンセプトを無にする行為ですので、改造したP.S.T.は眼視での観望に使わないくらいの決意が必要となります。この点は、どうかご理解ください。

さて、Samさんが会議で使っていた、P.S.T.分解に必須のアイテムが2つあります。

まずは、Mr.ツールクリーナー
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これは強力な溶剤で、接着されているP.S.T.のパーツの接着剤を浮かせる役割があります。
ただし、注意も必要で、本体のロゴの方にたらしてしまうと
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このような見苦しいことになってしまうので、くれぐれもお気を付けください!
さらに室内で使うととても臭いので、確実に家族に怒られる&健康にもよくありません。ご注意ください。

もう一つはパイププライヤ。
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これで挟んで回すのですが傷つけないように、ついていた厚紙をかませました。
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接着面にMr.ツールクリーナーをしみ込ませ、力を入れて回すと何とかはずれましたが、紙は少し滑ったので、たぶんゴムのシートとかの方がいいと思います。
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ブロッキングフィルターやプリズム等、ほとんど汚れていませんでした・・・むしろ汚れていてくれてクリーニングしたらコントラストが向上! みたいな流れになって欲しかったのですが(笑)

ともあれ、全体的にパーツを外すことはできました。
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P.S.T.を何の為に分解するかと言うと、対物レンズの大口径化とか、老朽化したフィルターを交換とか、バックフォーカスをつめるだとかいろいろあると思うのですが、自分はこのエタロンフィルター部分、
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これを太陽とは別目的で使う予定。

それはHⅡ領域を赤錐体細胞で見る! という企画になります。
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くわしくはこちらの過去記事

で。

この時は半値幅7nmのHα干渉フィルターで力及ばずでしたが、今回、半値幅1Åのエタロンフィルターを使うことで、当社比70倍(?)のコントラストを得る予定です。

問題はP.S.T.のエタロンフィルターのHα透過率が良く分かってないことです。60%くらいだったら何とかなるような気がするのですが、50%以下だと苦しい気がします。

さて、どうなる!?