SV165(3cmF4)鏡筒ですが、レンズがモダンな設計のアクロマートレンズのため、電視観望において、それなりの「あぶり出し」を行った場合、諸収差が増幅され、シャープな星像が得られないことがわかりました。特に光害地での電視観望において最も使用頻度が高いと思われる、QBP等の「デュアル・ナローバンド・フィルター」を使用した時にOⅢとHαのピント位置がズレるのは致命的と言えるかもしれません(多くのカメラ用望遠レンズでもこの現象は起こります)。

となると、もうHα単色光観望しか使途がなくなるわけです。今回はSV165(3cmF4)とSV305(フィルターレス改造)を使用してHα単色光による電視観望が可能かどうか確かめてみます。
IMG_6912
フィルターはオプトロンHα7nm、AZ-GTi経緯台にSharpCapによる画像処理です。光害地の自宅ですが、梅雨の晴れ間で透明度が良く、肉眼での限界等級3等くらいでした。
まず、ノーフィルターでやるとこんな感じにいろんな波長が盛大にピンボケになります。
M8 8秒露出
m8 8s nofil
まあ、これはこれで面白いのですが・・・

Hαフィルターを取り付け、M8、16秒露出
m8 16s 5stack
一応、星はシャープになりましたが・・・・これ、全然ダメですか? とにかく暗くて、フレームアラインも一切できません。

ちなみに、この後、鏡筒をSP140SS(14㎝F3.1)、フィルターはZWO DUO-BAND、カメラをASI294MCに交換した8秒露出ではこう↓
m8 8s zwo 140
偶然、写野の広さが同じぐらいになってますね。もちろん焦点距離、光学系の明るさ、カメラの感度・センサー面積など条件が全く違うので、比較してもダメなのですが、電視観望にかける手間が同じぐらいなら、こっちのほうが断然いいわけです。

ということで、今回はSV165(3cmF4)とSV305(フィルターレス改造)の組み合わせでは、Hα単色光観望は無理そうだということがわかってしまいました・・・残された道はSV165の対物レンズ換装しかないわけですが、アリエクスプレスで35mmFL=110mmのレンズを見つけて発注してありますので、これがどのような性能を発揮するかが最後の砦になります。

これダメならもう、SV165は「普通のファインダー」としてぐらいしか使い道がないわけです・・・・と言うか、もともと普通のファインダーか、これ(笑)。

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せっかくなので、SV165ノーフィルター・ピンボケ面白画像を少し

M20 8秒露出
m20 8s nofil
アンタレスとM4 8秒露出
anta 8s nofil
アンタレスが赤外ピンボケによって白く表現されているのと、謎のスパイダー光条が新しい!?