5cmF4ニュートンという唯一無二のスペックを持つサイトロンの”NEWTONY”。和訳すると「ニュートンちゃん」とか「ニュートン君」とかいう意味になるのでしょうか? いや、むしろこの望遠鏡、もっとワイルドに「ニュートン野郎」とでも言いたくなるような、トイグレード的な可愛い見た目とは裏腹の、しっかした目的と割り切りの骨太なコンセプトを持つ野郎でしたよ!
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このように、この望遠鏡最大の特徴は、鏡筒のサイドが外れて光学系の構造が分かるという教育的な配慮などですが、その他、細部の使用方法とか使い勝手とかのインプレは他の方から詳細に行ってもらえるものと期待して、当ブログ特有の自分勝手な視点で、このニュートン野郎を解剖していきます。

まず、これをおこないます。
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そう、伝説の「キング商会」フーコーテスターによる主鏡ナイフエッジ画像の撮影です。
結果は・・・?
フーコー
きれいな球面ですね! さすがにパラボラではなかった(笑)。
先日5cmF4の球面鏡のシミュレーションをしてみたところ、中心星像30μm程度、入射角1.5°の周辺約35μmといった値。
5cmF4球面spot
さらに中央遮蔽があるので、ここからわずかに球面収差が減るとして、電視観望なら何とか実用できるかも、という感じでした。
さらに、球面ならTANZUTSUの補正レンズがマッチする可能性もありますし、その他、球面なりのオプションもいろいろ考えられます。

・・・と記事を書いている最中に、どうやらLambdaさんのNEWTONYはパラボラらしいとの情報が!うーん、これはどういうことなのか? まさかの個体差? いやそんなはずもないし・・・今後検証の必要あり、ですね。
7/5追記:やはりLambdaさんの機体も球面鏡だったそうです。

さて、フーコーテスターで測定した焦点距離は200mmで間違いなさそう。

主鏡の直径は、何と大サービス?の53mm!
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メッキ面が約52mmでしたので、D=52mm、fl=200mm、F3.8ということになります。

さらに斜鏡は短径20mmで、コスモキッズについている斜鏡と同等品な気がしました。
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口径52mmに対しての中央遮蔽は直径比38%ということになります。意外と小さかったですね。
あと、鏡筒のサイドが外れるので、分解しなくとも斜鏡径が計れるので便利でした(笑)。
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一応、斜鏡の光軸調整が行えます。

雲の合間に月がちらちら見えていましたので、見てみます。
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まあ、悪くはなさそうです。
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写真にはうまく写せませんでしたが、クレーターも一応見えました。
付属のアイピース以外でも合焦しています。例えば、シリーズ500PL10mmや、
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SvBONYの非球面23mmとかです。
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いずれも、付属アイピースよりクリアな視野を示しました。

一応、日本語表記のパッケージですがインターナショナル感が漂います。
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おそらく世界的に展開しているのでしょうね。

さて、この望遠鏡、間違いなく唯一無二の存在ですが、実際に使って見ると照星式のファインダーや自由雲台式の架台が意外と使いやすく(これは倍率が20倍と低いおかげもありますが)、初心者向けの実用品として十分に及第点を与えられると思います。

正直、小海町でこれのプロトタイプ? を見た時はどうせ1万円以上になるんだろうな、ならいらないな・・・と思ったものですが、5980円となると話は別です。これだけの内容をその価格で実現したメーカーさんには心より敬意を表したいと思います。

あとは、主鏡が球面かパラボラかという問題ですが、上のナイフエッジ画像を撮るときにパラボラの期待を込め、結構時間をかけて影が見えないかどうかを検出していたので、少なくとも自分の個体に関しては球面鏡ではないかと思います。しかし、これについては今後、激増してくるであろうこの望遠鏡のオーナーさんの意見を広く伺いたいところではありますね!

取りあえず、自分は電視観望に使うために、この望遠鏡用のレデューサーを想定していきたいと思っています。いやいや、この5cmF4ニュートン野郎でこれからかなり楽しめそうです!