ネオワイズ彗星が流行っているので、これを発見したネオワイズさんって、どんな人だろうと思って検索したら人ではなく探査機でした(笑)。広域赤外線探査衛星NEOWISEが発見したたくさんの彗星のうちの一つ、「C2020F3」が今回(我々が)大騒ぎしているやつなのですね。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

広域赤外線探査衛星WISEWide-field Infrared Survey Explorer)は、2009年12月14日に打ち上げられた、アメリカ航空宇宙局の予算で開発された赤外線天文衛星である[1][2][3]。口径40cmの赤外線望遠鏡を備え、3 - 25µmの波長で全天を10か月以上観測する。IRASCOBE等、以前の同様の機器よりも少なくとも1000倍の感度を持つように設計されている[4]

2011年2月17日に運用は終了したが、2013年8月に運用再開が承認され、2013年10月に運用を再開した。

Calif-NASA-Vandenberg-Air-Force-Base-satellite-Dec-14-2009

2013年に運用を再開した後、「NEOWISE」と名前が変わったようですね。
さて、この衛星は40cmの望遠鏡で4種類のバンドを使って観測しているとのこと。
  • バンド1 - 3.4 µm - 恒星や銀河を広く検出
  • バンド2 - 4.6 µm - 褐色矮星等の内部の熱源による熱放射を検出
  • バンド3 - 12 µm - 小惑星からの熱放射を検出
  • バンド4 - 22 µm - 星形成領域の塵を検出
とのことですが、実際にこの4つのバンドでM31を撮影するとこんなになるらしいです。
4つの検出器で撮影したアンドロメダ銀河。3.4・4.6µmを青、12µmを緑、22µmを赤で示している。

これはすごいです。M31がまったく違う顔を見せています。

ハート&ソウルとかもこの有様。
KvgPtfoZBEoAngKZZSm8dM-650-80
NASA/JPL-Caltech/UCLA

The Heart and Soul nebulae are seen in this infrared mosaic from NASA's Wide-field Infrared Survey Explorer, or WISE. The image covers an area of the sky over ten times as wide as the full moon and eight times as high in the constellation Cassiopeia.


他にも検索したら「驚異の映像」がたくさん出てきます。


いやー、これから我々が向かうのはここじゃないですかね? 赤外域だとおそらく光害は関係ないし、都会でもOK。また、少々の薄曇りでもこういう系の画像が得られる時代が来るのではないでしょうか?


自分自身、電視観望では赤外域利用にシフトしていっているのですが、現状、素人レベルでは、ナイトビジョンやCMOSカメラを使ったとしても、アンダー1μmくらいの近赤外域ぐらいしか利用できなさそうです。現在入手できる最右翼はSONYの新しいセンサー、IMX462を使ったZWO ASI462ですね。

↓このような特性。

ASI462-QE-curve_655
NEOWISEの使っている帯域には及びもつきませんが、それでも800~850nmの近赤外域に感度のピークを持っています。赤外初心者の天文アマチュアの最初の1歩としてはまあ、いいぐらいでしょうか。赤外線防犯カメラの需要でこのような特性が求められているようですが、副次的に天文アマチュア界に福音をもたらすことになっています。今後、1μm、2μmと利用可能波長域が伸びていってもらいたいものですが、そっち方面の需要はどうなのかな?

さて、今の時点で赤外域電視観望を始めるとしたら、明らかにこれ一択ですが、SONYにはもっと感度の高いIMX482センサーもあって、これが搭載されたCMOSカメラが出ればそっちのほうがいいし、ちょっと買い控えている状態です。本当に迷っています(笑)

ま、そういう個人的逡巡はさておき、ここで大胆に予言しておきましょう。

天文アマチュアの「赤外域利用時代」が必ず来る!

この予想が当たったら、お祝いに誰か缶コーヒーでもおごってください(笑)。