さて、光学シミュレーション関係の話が終わり、話題は、ねこめしさんによる3Dプリンターに移りました。

ねこめしさんは20cm立方まで作れる3Dプリンターを使用していろいろなアイテムを作られています。詳細は、ねこめしのよなよな工房ブログにて! 
3Dプリンターも最近では数万円で多機能なものが手に入るようになり、ランニングコストも安く(1アイテム数十円)、なかなかに楽しい分野のようです。ATMをやっておりますと、どうしても小さなオリジナル部品が欲しくなるものです。現状、プラ限定・力がかかると部分にはNG、ひとつ作るのに時間がかかる(ものによっては半日とか)などの制限があるとは言え、これが可能になるとすると非常に幅が拡がります。特にNEWTONYの接眼部や鏡筒のフタなどを作るのには最適そう。これは近日中に導入しないといけないかなあ・・・・

というような、話をしておりますと、yasさんから、晴れ間が出たので木星の中継が可能になったとのこと。さっそく画面に出してもらいます。
mokusei
・・・! ちょうど大赤斑が正面に。この画像はC14(2倍バーロー使用 合成fl=8000mm)+NJP+ASI290MMによるものです。
↓yasさんのC11、NJP
dddabab9.jpg
アイテム類のケースを2段にしたものにC14鏡筒を載せてNJPのアリ溝とアリ型が同じ高さになり、重量級の鏡筒取り付け時の危険が回避できるよう工夫が行われています。

木星はライブ中継なのでシーイングでゆらゆらしていますが、モノクロCMOSカメラによる三色分解撮影と生中継を並行して行ってくれていました。
面白かったのは、赤外と青の波長の違いでシーイングの影響が全然違ったこと。
↓下の動画では、最初が赤外、途中で青にフィルターが変わります。
同時に、青の波長になると大赤斑が黒く表現されるのもわかりますね。このあたり、yasさんにフィルターを切り替えてもらって見え方の違いを確認するのが非常に面白かったです。

その後は、シュミットカセグレンの光軸調整、温度順応のノウハウをyasさんから聞いたりしながら、対象は土星に移りました。
オープン双天会#3 画面
上のモニター画像でも非常に良く見えたのですが、当日の撮影データをyasさんがスタック&LRGB合成したものがこれ。
Saturn_20200801_22h06m48s_LRGB
(yasさんのブログ Orion Arm より)
素晴らしいですね! 
yasさんのブログ Orion Arm では惑星の他にも月面、太陽面など様々な素晴らしい画像がご覧になれますので、この方面を目指している方にはとても参考になるサイトと言えます。

さて、yasさんはNJP赤道儀と言う名機を使用しておられますが、話は変わりまして、実は赤道儀のないフリーストップのドブソニアンでもこのような惑星のスタック画像が得られるのです。

DSCN5981
これは、さかいさんが55cmF5ドブソニアン(画像手前)を運用されていたころ時々敢行されていた手法で、ドブソニアンの接眼部にデジタル一眼を取り付け、ライブビューの状態で視野から惑星が逃げないように手動で追尾しつつ動画を撮り、後日レジスタックスでその動画をスタックするという方法です。7年ほど前の画像になりますがこんな感じに仕上げられています!
MVI_4633-512-1-20-10-1-1-1
こちらも素晴らしいですね! これは7年前の作品なので、この手法を現在のCMOSカメラとかを使っておこなえばさらに詳細な画像が得られると思われます。

ちなみに、この追尾方法を気合追尾と名付けておられます(笑)。

追尾のついてないドブソニアンタイプの望遠鏡を持っている方は一度「気合追尾」にチャレンジしてご覧になると良いのではないでしょうか?

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はい、そんな感じで、今回のオープン双天会も様々なノウハウや情報が飛び交う充実した会議となりました。次回は今のところ9月5日(土)20:00~の予定です。当ブログでご案内しますので、よろしければまたご参加ください!

・・・正直、会議の運営より、事後の会議レポートの方が数倍大変だったです。ふう、やっと終わったよ(笑)