ナイトビジョンのアフォーカル・システムにはF3.3の対物で瞳径を21mm程度にするのが一番明るくできるのですが、そのような対物系は持っていないので、15㎝F4のGINJI150FNの主鏡を換装することにしました。
これによって、15cmF3、6.7 倍、瞳径22mm、実視界6°というスペックになります。
15㎝F3の球面を光学シミュレーションすると球面収差によって中心星像130μm(つまり0.13mm)というなかなか盛大なボテりを示しました。ただし、今回6.7倍という双眼鏡並みの低倍率なので、ひょっとしたらそんなに目立たないんじゃないかと考えての強行です。
フォーカサーを少し繰り出したところで無限大にピントが合いました。
さて、薄明が終わるか終わらないかで、Hα7nmフィルターを使用し、ますは北アメリカを見てみます。
(以下すべての画像が16枚合成となります)

ああ、悪くないですね。輝星は逆コマみたいに歪みますが、微光星は問題なくシャープに見えます。月が大きくて、限界等級は2等がちょっと怪しい感じなのですが、この条件で北アメリカがこれぐらい見えれば十分でしょう。
三日月星雲付近
あ、いて座方面も沈まないうちに見ておかないと。
M8,20

うちのベランダから見たこっちの方角は光害がもっとも強烈なので、だいぶコントラストが落ちてしまいますが、まあ、こんな感じでしょうか。やっぱりF3は明るくて、Hαフィルター使用でもバックグラウンドが少しカブッてきます。
一応、690nm赤外フィルターも使っておこう、ということでM31
心配された、F3球面鏡の球面収差ですが、眼視で見ている限りではほとんど問題なさそうでした。もちろん輝星は歪みますが、微光星はかなりシャープに見えます(画像は合成の時に少し星像が流れたり肥大したりしてます)。何と言っても、視野が明るくなって実視界が広がるメリットは大きいですね。空の暗いところではもっとパフォーマンスを発揮すると思います。

しかし、個人的には先日の30㎝ドブソニアンのフリーストップで振りまわした方が圧倒的に楽しかったです。今回のようにiPhoneで自動導入の操作をしてると、リアルタイムで宇宙を漂う感じが得られないのですね。それに口径の大きい方がHⅡ領域の細かい構造が良く見える、という当たり前の理由もありますが。
しかし、自分の志向というか求めているものがわかったのは良かったです。
次回は30㎝をもっと広い視野にしてRFT要素を強化するため、レデューサーの導入を考えてみたいと思います!
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