T-StudioさんからCMOSカメラのGainとダイナミックレンジの関係についてご教授をいただきました。それによると、例えばASI462MCの場合、Gainが”0”、もしくはハイGainに切り替わる”80”がもっともダイナミックレンジが広くなるとのことでしたので、高感度側の”80”で試してみます。ちなみに462のGainは600まであり、通常は500~550で使用しています。
システムは、光学系に70mmF2.9、fl=204mmケンコーニュースカイステージ改、サイトロンQBPフィルター、架台はAZ-GTi、SharpCapによる画像処理です。月齢12で透明度やや悪く、ほぼ一等星しか見えない条件です。
対象天体はM27になります。まずはGain80、32秒露出の1枚画像です。
ちなみに、いつものGain550で2秒露出したものがこれ。
もちろんごらんの通り、Gainを80まで下げた方が1枚画像のノイズは少ないものの、一枚の露出時間が長いため、Stack枚数が少なくなり、結局、Gainを上げて露出を短く、Stack枚数を多くした方が電視観望としての見栄えがするようです。
ちなみに電視観望の範囲でもう少し画質を追求するため、Gain400、4秒露出、300Stackしてみますと
しかし、この画像を得るためにトータルで20分もの露出時間がかかっています。わたくしの電視観望は時短を最優先事項としておりますので、一天体に20分もかけるのは本意ではありません。
というわけで、結論としてはASI462MCをDSOの電視観望に使う時はGainを500~550にして、LiveStackも5分以内で切り上げるのがよさそう、ということになりました。
ちなみに、本日の検証は1時間程度(曇ってきて強制終了)、ブログ記事も1時間程度で完了しております。これなら平日稼働も全く問題なし!
トータルでも時短を貫き通してやったぜい!
コメント
コメント一覧 (13)
uwakinabokura
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この方法は時短優先ではありませんよ
ダイナミックレンジを最大に使用して後処理をほぼ行わなくても階調が広い画像を取得するのが目的です。
拝見した画像だと1分以上を10枚、30秒を20枚位、15秒位を10~20枚位で多段露光します。
ノイズが目立つ場合はそれぞれのスタッキング数を更に増やします。
スタッキング枚数は最低でも5~60枚、できれば100枚以上はスタッキングしないとノイズの分散ができません。
後処理の手間をかけずにダイナミックレンジを拡張する方法とお考えください。
uwakinabokura
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いずれにしても多段露光しないとダイナミックレンジは広がりませんよ。
uwakinabokura
が
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>「怪我の功名」
ゲインを上げれば見て操作が出来るので作業しやすくなる利点がありますね。
(本来の電視観望はこの部分に焦点を当てているかと思います。)
私がお伝えしたことは大型の撮像素子の画像に近づける手法とお考えください。
(多段露光すれば飽和電荷量を拡大できますので大型撮像素子と同じくらいの画質が得られます。)
多段露光により、バックグラウンドのカラーが変わるというのは2つ原因があります。
1.撮像素子の感度がRGBで異なること(これは特性のグラフで判断できます。)
2.各段ごとにスタッキング時目視でカラーバランスなどを調整していること
2の部分を変更してしまうとスタッキングで合わせたときにズレ幅(飛び)が大きくなってしまいます。
2の部分はゲインなどを上げて調整しておき、後は同じバランスで多段露光すれば調整しやすくなります。
uwakinabokura
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各チャンネルの飛びのもう一つの原因はスタッキング不足にあると思います。
(ある程度枚数がないとノイズを分散できませんので。。)
462は赤外領域に非常に感度が高いので目視上での調整が難しそうですね。。(赤い部分の飽和が目立って早い)
uwakinabokura
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・・を比較すると、S/N比は、2.5^3 ≒ 15倍位。
この差が、必要露光時間差になりますから、スピード撮像を
目指す場合、光害が少ない場所が良いですね。
(参考) M27 ~30秒・1枚画像
https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-entry-99.html
↑
焦点距離・225㎜、限界等級15等位です。
総露光、30秒。
ザラザラ感は残りますが・・
(総露光1分で、ザラザラ感半減です)
uwakinabokura
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