というわけで、ASI462MC、SVBONY CLSフィルター、fl=437mm、合成F3.1 のSP140SS改シュミット・ニュートンによる電視観望で、春の小宇宙(銀河)を流してみました。月はない日でしたが、空の透明度ははっきり言ってかなり悪いです(2等星が見えるか見えないか)。
IMG_2217
まずは、M63”ひまわり”
m63  8s 100stack gain300 cls
m63  8s 100stack gain300 cls
ひまわりの所以たる花びら状の構造が見え始めている?・・・ような感じ。やっぱりなかなか彩度は上がらないですね。

続いてM95
m95  8s 77stack gain300 cls
m95  8s 77stack gain300 cls
これは棒渦状の構造が良く出てくれます。右側が黒く切れているのは、AZ-GTiの追尾が少しずつずれてきたのをライブスタックで合成するとこんな感じになります。天体の位置によってこのズレが大きくなったり小さくなったりしますが、まあ、最初のアライメントが雑なだけです(笑)

M104”ソンブレロ”
m104  8s 70stack gain300 cls
m104  8s 70stack gain300 cls
今回はソンブレロの形と暗黒帯の切れがよく表現できました。

NGC4038、4039”アンテナ”
ngc4038,4039  8s 100stack gain300 cls
antena  8s 100stack gain300 cls
これたぶん電視観望では初めてですね。淡い部分を出すのが難しいです。

NGC4565”ニードル”
ngc4565  8s 70stack gain300 cls
4565  8s 70stack gain300 cls
大きさ、輝度ともエッジオン銀河の王様ともいうべき佇まい。空の透明度が悪くても見ごたえある威容ですね!

セイファート銀河のひとつM94
m94  8s 100stack gain300 cls
m94  8s 100stack gain300 cls
これはぜひとも二重構造の中にある渦巻きを表現したいのですが、はっきりわからないですね。

ここで小宇宙は一休みして、北天の球状星団の王、M13です。
m13  8s 51stack gain300 cls
m13  8s 51stack gain300 cls
ちょっと黄色っぽくは写りましたがやはり彩度は低いです。これもCMOSカメラの感光特性上、白色に表現される赤外成分が輝度を支配していますね。

NGC 3242”木星状星雲”(300%に中央拡大)
ngc3242 8s 30stack gain300 cls
0624se5  8s 30stack gain300 cls
さすがに惑星状星雲のOⅢの輝線は青緑に写りました。

小宇宙に戻って、M101”回転花火”
m101  8s 100stack gain300 cls
m101  8s 100stack gain300 cls
大きくて淡い代表。電視観望としては腕は良く表現できた方かな?

NGC5866(M102?)”スピンドル”
ngc5866  8s 100stack gain300 cls
m102sp5nd3  8s 100stack gain300 cls
M102の候補天体。本来は細い暗黒帯があるのですが、fl=437mm程度の解像度では全然見えないですね。これの暗黒帯を電視観望で見る、をひとつの目標にしたいものです。

NGC 3953 3392(とまわりにあるいろんな小宇宙)
ngc3392  8s 81stack gain300 cls
NGC 3953 8s 81stack gain300 cls

この辺、「M109銀河団」でしたっけ? 2903に似た感じのNGC 3392のまわりにいろいろ見切れているのですが、全然名前知りません(ケニ屋さーん)

M83”南の回転花火”ですが・・・・
m83  8s 22stack gain400 cls
m83  8s 22stack gain400 cls
南に高度が低くて、全然コントラストつけられなかったです。Gain400まで上げたんですがライブスタックも失敗しまくりで22スタックで切り上げました。これは南の開けたところじゃないと無理そう。

超定番のM51ですが、どうもこれもライブスタックが失敗しまくって27スタック止まり。
m51  8s 27stack gain300 cls
m51  8s 27stack gain300 cls
それでも渦巻き構造がここまで表現される輝度の高さは大したものですが、どうも空が「透明度悪い」を通りこして、「軽く薄曇り」の感じになってきました、2等星もほとんど見えない「限界等級1等」の状態。

強引にM64”黒眼”も行ってみますが、これも40スタック止まり。
m64  8s 40stack gain300 cls
m64  8s 40stack gain300 cls
何とか特徴的な暗黒帯は表現できましたが、もう本来のパフォーマンスとは言えないですね。

最後はM97”ふくろう”
m97  8s 70stack gain400 cls
m97  8s 70stack gain400 cls
Gain400に上げて、70スタックまで頑張ってみましたが、本来なら青緑が赤の縁取りで見える、ふくろうの鮮やかな色彩が見る影もありません。外へ出て空を見ると、既に1等星しか見えない完全な薄曇り。逆にこの条件でよくここまで見えたなと(笑)

この時点で午前5時30分、先日に続いての「オールナイト」で疲れましたが、電視観望では初めてのものも含め多くの小宇宙(銀河)を見られて大満足でした。やっぱり、数をこなせるのが電視観望最大のアドバンテージと言えますね。

今後は解像度を上げて、もう少し複雑な構造が見えるようにしていきたいですね。そのためにはレデューサー・ワークを駆使したC8シュミット・カセグレンの運用が必須かと。

・・・いやいや、電視観望システムの運用オプションが拡がり過ぎて、自分でも何が何だか(笑)