フェルナンデスのフレットレス・ベースです。
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ご覧のようにフレットレスとはフレットがないということですね。もともとエレキベースがコントラバスから派生(?)したときにフレットをつけてピッチを安定させたのものを取り払った「先祖返り」みたいな立ち位置になるでしょうか。

最近のフレットレスベースは本来フレットがある位置に「フレットライン」がつけてあって、演奏の目安にするのですが、この個体はフレットラインどころかポジションマークさえない「謎の仕様」。1993年に楽器屋さんの店頭で見かけ(新品45,000円)、そのスパルタンさに思わず衝動買いしたものです(笑)。
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当時のフェルナンデスの「リバイバル・シリーズ」ですね。おそらく最安のRJB-45をベースにフレット打ちの工程を省いて作られたものだと思います。当時のカタログにも載ってないのですが、型式は「RJB-FL」のようです。
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リバイバル・シリーズのジャズベースのフレットレス、ってことでしょうか。
この価格帯のRJBはボディがバスウッドなのでこれもそうだと思います。
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ネックポケットの無塗装の部分を見ても白っぽいのでやっぱりバスウッドでしょうか(アルダーだともう少し赤っぽい)。

さて、このベースは1993年に購入した後、弦を一回しか換えておらず、しかもそれも10年以上前なので、今回弦を換えるにあたって、フラット・ワウンド弦にしてみました。
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エレキベースは一般的にはラウンド・ワウンド弦ですが、これだとフレットレスの場合フィンガーボードが削れて行きやすいので、音色面も含めてフラット・ワウンド弦に換えるオプションがあります。
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上がフラット・ワウンド、下がラウンド・ワウンドですね。ちなみに、このベースは自分でフィンガーボードにエポキシ処理して(と言っても混合型のエポキシ系接着剤を塗っただけ)、一応削れから保護してあります。

張り上がりました。
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ここで問題発生。弦を比較した画像でもわかりますが、元張っていたラウンド弦よりだいぶ太いのでテンションが強く、ネックが「順ゾリ」を起こして弦高がやけに高くなってしまいました。

やむを得ずトラスロッドで調整します。このベースはネックを外さないと調整できないやつですね。
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1/4回転くらい。
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あんまり締め込むのも嫌なのですが、何とか1/4回転でネックがほぼ真っ直ぐになりました。

弾いてみると、ラウンド・ワウンドの時の「ブォーーン」という音と比べ、倍音が減って丸くなった感じですね。少しコントラバス方面に近くなった気がします。

エレキギター以上に腕前はヘボいのですがショート動画を撮って見ました。
 
Twitterでのコメントにも書いていますが、これで元ネタが分かった人はすごいです!(笑)。




・・・誰も分からないみたいなので、早くも解答。
JAPANの「Life in Tokio」のベースライン(の一部)でした。

もういっちょ、自分のTwitterのあるフォロワーさんが耳から離れないという呪いのベースライン、

こちらは同じく、JAPANの「Visions of China」。

やっぱり、我々のようなYMO世代にはフレットレス・ベースと言うとジャコではなくてミック・カーンなのですよね!