前回、今一つ確かめきれなかった、SV503 70ED鏡筒の赤外結像の状況を再びASI462MCとの組み合わせにて検証します。
その晩は月はないのですが、微妙に薄曇りで2等星もかろうじて見えるくらいの状況でした。
検証用の天体はM104ソンブレロ、まずはノーフィルターにて。
m104 gain300(max600) 8s 22stack nofilter
そこで、赤外の周波数成分をカットするべく、UV/IRカットフィルターを入れてみます。
m104 gain300 8s 25stack uv/ircut
やはり・・・青ハロが目立ち始めましたが、星像は一気にシャープになりました。また、黄色いM104とのコントラストがアルビレオのように美しく、この色彩表現は嫌いではありません。さらに青ハロの部分はおそらく眼視では見えないので、この鏡筒が可視光においての色収差が良く抑えられている結果でもありますね。
しかし・・・当方最大の目的は近赤外利用電視観望・・・・UV/IRカットフィルターによる赤外成分のカットは
身を切られるよりつらい(笑)
一気に、この70ED鏡筒の個人的な実用性が低下した瞬間ではありました。
一応、マルミr2フィルターにて、Ha~近赤外の帯域でもやってみましたが
m104 gain300 16s 20stack r2filter
ただし、異常分散のEDレンズを使っているとは言え、2枚玉で赤外まで同焦点に揃えようというのは、もともとが設計上無理な話。順当な結果とは言えます。
ここ1年近く、このクラスのローコストEDアポによる皆さんの作例やレポートを目を皿のように拝見し、赤外の結像性能を知ろうとしていましたが、現状ではなかなか赤外の観点での情報がなく、これはもう自分で確かめるしかなくて取得した鏡筒です。しかし
無理な話なんだけどひょっとしたら行けるかもしれない
↓
案の定、玉砕
という、当ブログ定期の自滅報告となりました(笑)
誤解のないように言っておきますが、この70EDは値段を考えると素晴らしいパフォーマンスの望遠鏡です。電視観望においてもQHY5III485Cとの組み合わせではフィルターワークによりそれなりのパフォーマンスを示していますし、
Sv503 70ED+QHY5III485C QBPフィルター使用、Gain50、16秒露出 30stack
天体写真に使った場合も撮影者の腕次第で相当の高画質が得られるでしょう。
でもダメです。自分はIMX462センサーで可視光と近赤外を同時に使いたいのです。
そうなると屈折の選択肢では三枚玉とかしかなくなりますが、コスト的に高すぎますので、やっぱり反射になるでしょうね。
反射での結像を確かめるべく鏡筒を、fl=437mm、合成F3.1 のSP140SS改シュミット・ニュートンに換えます。
M104ソンブレロをノーフィルターにて
m104 gain300 8s 75stack nofilter SP140ss
結局、SV503 70EDに教わって反射に回帰するという・・・(笑)
という流れで、そろそろ電視観望に特化した反射鏡筒の製作をしなければならなくなって来たのでしょうかね?
(製作機会を待つアストロスキャン用光学系。主鏡105mmF4.4、120mm平行平面ガラス、斜鏡短径40mm。クローズアップレンズNO4のレデューサーでF3.8運用が可能か?)
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