モノクロCMOS、SV305MProの検証、今回はケンコーNEWスカイステージ改7cmF3.2反射にておこないます。
IMG_3314
この鏡筒は76mmF3.7の高精度放物面鏡にfl=100mmのアクロマートレンズを0.8×レデューサーとして使い、さらに口径を70mmに絞ったもので、微光星の星像が9~12μmと非常にシャープな光学系になっています。
星像
(1ピクセル2.9μm)

まずは、M27を導入。バックラッシュを調整したVIRTUOSO GTiマウントの調子はまずまずと言ったところ。ただし、AZ-GTi架台よりはまだバックラッシュが大きく、導入精度がやや悪い気がするのと、バックラッシュを吸収して恒星時追尾で「バックグラウンドが完全に止まる」ようにするまでに時間がかかりますね。ちょっと使い勝手が悪い気がします。
m27  8s gain32 30stack ノーフィルター
m27  8s gain32 30stack black0
星像、シャープと言えばシャープなのですけど、いかんせん1/2.8”センサーなのでフル画面でもピクセルの拡大率が高く、キメの粗さは否めないですね。ちょっと「観賞用」としては厳しい気が・・・
(ちなみに、輝星が写真で面積を持って写るのは、明るいほど外周のジフラクションリングが写るから、という最新の考察が行われています!)

これが1/1.2”センサーのQHY485Cなら拡大率が半分で済むので、このぐらいの細かさになります(8cmアクロマート fl=348mm F4.4 gain50 8s 90stack zwo duo-bandフィルター)↓
m27 gain50 8s 90stack zwo
うーん、電視観望とは言え、ギャラリーに見てもらうにはやっぱりこれぐらいには行きたいなあ・・・
モノクロの場合はカラ―の色彩を圧倒するような解像力や階調が欲しいですね。

まあ、センサー面積の小ささは仕方ないので、SV305MProの検証、どんどん行きます。
ここから先は全てIR640proフィルターを使用した、「Ha~近赤外電視観望」です。
m17  8s gain32 60stack
m17  8s gain32 60stack black0 ir640
どうでしょうね。カラーセンサーでやってる時よりは淡いところが写っているでしょうか?

網状星雲
ami 4s gain32 230stack
ami 4s gain32 230stack black0 ir640
うーん、この網状星雲の出方を見たらやっぱり感度そんなに高くない気も・・・

m31  4s gain32 50stack
m31  4s gain32 50stack black0 ir640
M31の周辺部は惨敗(笑)

m16  8s gain32 50stack
m16  8s gain32 50stack black0 ir640
M16の「創造の柱」とか今一つ分からん感じも・・・

m8  8s gain32 194stack
m8  8s gain32 194stack black0 ir640
M8みたいな輝度の高いものはそれなりに・・・かな?

モノクロセンサーの感度、最低でもカラーの2倍、下手したら3倍くらいあると思っていたのですが、対象にもよるものの、現状では、体感上カラー(同じピクセル面積2.9μmのもの)の1.0~1.6倍と言ったところ。何か使い方悪いのですかね?
これなら、1ピクセル4.6μmのカラーセンサーを持つASI294MCのほうが断然よく写ります。
・・・ちょっとモノクロセンサーの高感度への期待が大き過ぎたようですね。

しかし、このSV305MProについてはノイズが非常に少ない気はしますね。しかも上の画像は一切「ダーク」を引いてません。この辺は後発のアドバンテージが生かされている、ということでしょうか。さすが、「開発力のSVBONY」です。せっかくの優れた特性なので、今後何とかうまい運用方法を考えていきたいですね。

ということで、電視観望においてはまだまだASI294MCを上回るCMOSカメラは現れないようです・・・


ASI294MC最高!(違)