前日に引き続き、SV501鏡筒による電視観望をおこないました。
IMG_3842
7㎝F6(レデューサーなしのfl=420mm)、AZ-GTi経緯台、ASI482MC、SharpCapによる画像処理です。今日は早い時間から晴れていたので、夏の銀河HⅡ領域4兄弟が沈む前に一気に行きます。

M8  Gain300  8秒露出 30スタック QBP+UVIRフィルター
M8  Gain300  8秒露出 30スタック QBP+UVIRフィルター
M20  Gain300  8秒露出 33スタック QBP+UVIRフィルター
M20  Gain300  8秒露出 33スタック QBP+UVIRフィルター
M17  Gain300  8秒露出 37スタック QBP+UVIRフィルター
M17  Gain300  8秒露出 37スタック QBP+UVIRフィルター
M16  Gain300  8秒露出 40スタック QBP+UVIRフィルター
M16  Gain300  8秒露出 40スタック QBP+UVIRフィルター
いずれも問題なさそうですね。SV501は電視観望用の安価な鏡筒として実用性がある、と結論付けてよさそうです。何と言っても対物レンズがC線F線を一致させた伝統的な設計であることが大きいですね。

ここで、よく考えたら同じ7㎝F6のED鏡筒を持っていることを思い出しました。SVBONY SV503 70EDです。
IMG_3848
上がSV503 70ED、下が今回検証を進めているSV501になります。こうやって並べて見るとそのまま双眼望遠鏡にできそうですね(違)。

さて、同じ条件でデュアル・ナロー電視観望をした場合、EDとアクロマートの違いは出るのか?

まずSV501
M27  Gain300  8秒露出 30スタック QBP+UVIRフィルター
M27  Gain300  8秒露出 30スタック QBP+UVIRフィルター
続いて、SV503 70ED
M27  Gain300  8秒露出 31スタック QBP+UVIRフィルター
M27  Gain300  8秒露出 31スタック QBP+UVIRフィルター  SV503
あー、これは結構違いますね。正直、こんなに違うとは思いませんでした。星像がシャープなのはもちろんですがコントラストが断然高いです。
おそらくレンズのコーティングの違い、SV503 70EDのほうが鏡筒やドローチューブが太くて迷光を拾わない、などの条件によるものだと思います。

SV503 70EDの中心を拡大すると
SV503 hosizou
ASI482MCの1ピクセルが5.8μmとすると、星像は10~15μmと言ったところでしょうか?
これが1/1.2”センサーの最周辺では(画面の右上の拡大)
migiue
ほとんど崩れていません! F6の光学系はフラットナ―なしでも1/1.2”センサーなら全面ピンポイントの星像を示すということで、これはなかなか優秀ですね。

これがSV501ですと
kataboke
中心像でも上下の色ずれ(接眼部の剛性不足によるたわみ?)が発生する上に、星像も小さく見積もっても20μm以上。これだけ違うと最終的な限界等級もかなり違ってくるでしょう。やはりローコスト方向に振った代償が顕在化してくるのは止むをえないですね。

というわけでSV501も実用的な鏡筒ではありますが、さすがにSV503 70EDにはかなわなかった、という結果に終わりました・・・当たり前な結論で申し訳ありません(笑)

と言うわけで、この後、改めてSV305 70EDの電視観望運用を検証するモードに切り替わりました。その模様は次回更新にて!