わたくしも常々「ニュートン信者」を公言しておりますが、これほど”我が意を得た”志向での作品群を見たことがありません(笑)。
まずは、D=54mm、fl=980mm、F18のハーシェル・ニュートンですね!
ハーシェル・ニュートンとはこういう光路を持っており、
傾けた主鏡を接眼部手前の斜鏡(富田さんの作例ではプリズム)で筒外に導くものです。中央遮蔽を無くすことができますが軸はずしによる非点収差が出ますので、比較的小口径でF値が大きい主鏡で非点収差をレイリーリミットに収めます。
Fが暗いことによる像の切れ味、中央無遮蔽のため惑星模様のコントラストもよく非常にクリアな見え味を示すのが特徴ですね。昼間の鉄塔を見せてもらいました。
富田さんはこの他にも
D=79mm、fl=1290mm、F16.3 ハーシェル・ニュートン(鏡面再研磨中)
D=79mm、fl=1330mm、F16.8 ニュートン(ハーシェル・ニュートンと中央遮蔽の有無を比較する用)
D=128mm、fl=720mm、F5.6 ニュートン(木製四角鏡筒)
D=126mm、fl=660mm、F5.2 ニュートン(ミザール製の鏡筒を自作鏡に換装)
などなど、たくさんの「反経」を持ち込まれており、その全てにさまざまな物語があって、ここでは紹介しきれないほど。
さらに特筆すべきはそのほとんどが自作鏡であることです。これだけの鏡を磨くのにどれだけの困難を乗り越えられたのでしょうか(わたくしも鏡面研磨は3回ほどやりましたがいずれも「地獄を見る」体験となっています 笑)。
また架台についても、ビクセンのオズマR100用経緯台のような上下微動棒付きの経緯台が最高と位置付けておられるところも当方と同意見でうれしかったです。
さて、そんな中、「完全市販品」的な異彩を放っていたのが、宇治天体精機20cm反射経緯台D=204mm、fl=1400mm、F6.9です。
(富田さんの機材紹介用紙より)
主鏡はなんと苗村鏡! その他、もの凄く剛性の高いフォークに三脚、シルキーな挙動を示す上下微動、鏡面清掃用の小窓など、反射望遠鏡のひとつの理想形とも言える佇まいですね!
ちなみに以前行った宇治天体精機の工場はこのような様子。
富田さんによれば20cm用のフォーク架台の金型も残っているそうなので、価格はともかく今でも供給は可能かと(笑)。
まあ、何が言いたいかというと、とにかく反経万歳!
コメント
コメント一覧 (8)
uwakinabokura
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ミラーも、自作研磨です。
○ ATM・2023、新型ニュートン反射編 ☆1
http://hajimechan01.livedoor.blog/archives/14953448.html
uwakinabokura
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とりあえず、主焦点メインに、主鏡研磨から・・
ピッチの替わりに、使い慣れた研磨パッド使用の予定です。
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