先週は、副鏡の修正量を測定していましたが、その時に目指す副鏡の修正量が、主鏡が完全な放物面と仮定しての値でした。しかし、良く考えてみたら、主鏡が過修正なら副鏡はその分負修正にする、といった具合にトータルで考えなければいけなかったので、主鏡の修正量も測定しておく必要があります。
50cm鏡は、シーイングが落ち着いた時の惑星の見え方が物凄いことになるので、ほぼ完璧なミラーだとは思うんですが・・・・・。
http://space.geocities.jp/jzd01063/50cmmirror01.jpg http://space.geocities.jp/jzd01063/50cmmirror02.jpg http://space.geocities.jp/jzd01063/50cmmirror03.jpg
これは、ナイフエッジを奥から手前へ移動して行ったときの面の様子です。中央部の焦点距離が短く、周辺部が長いのがわかりますね。「 505mmF4.4の放物面鏡 」では、鏡中央と周辺の焦点距離の差が「 12.84mm 」になればよいはずです。上の画像だけでは修正量がわからないので、今日は50cm主鏡のゾーンテストをおこないます。
今回は「 ゾーンプレート 」を使ってみます。昔のテレビの懐かしいやつみたいな形のです(笑)。
さて、今回は測定対象が50cm用なので、プレートも結構大きいものが必要です。段ボールで作ることにしました。
段ボールの切れ端を「 コンパス 」にして同心円を描き、窓の部分を切り取ります。窓を切り取ると少しフニャフニャになったので、補強もして・・・と。
ちなみに、このプレートを作るのに1時間半くらいかかりました(笑)。さあ、これを50cm鏡の上に載せてゾーンテストをおこないます!
ナイフエッジを前後に移動させながら、ゾーンごとの焦点距離を測定し、エッジの移動量をフーコーテスターのバー二ヤ(ノギスみたいなやつ)で読み取って、鏡面の修正量を判断することになります。
目的としているゾーンが左右で同じ濃さの影になったポイントを見るのですが、これが結構難しい・・・・特に真ん中のゾーンは一番難しく、なかなか「 ここかな? 」というポイントに自信がもてないです。
で、結果は・・・・・
見事なまでに、「 505mmF4.4の放物面鏡 」の理論値に近い値が出ました!・・・とは言うものの、計算された鏡面精度は、1/5.3λ程度。正直、この鏡がこの程度のはずはないです。
これはたぶん、当方の測定精度の問題でしょうね。というのも、各ゾーンの「 見切り 」がなかなか難しく、ヒューマンエラーの影響が大きいのです(笑)。ゾーンプレートの窓から鏡面の限られた部分を見るより、全体が見える「 ピンテスト 」のほうが良かったかも知れないですね。
さらに、フーコーテスターのバーニヤの最小読み取り値が0.1mmなので、理論値で示されているような、小数点第2位まで計測できないんですね。もっと高精度のテスターを作って、自分自身も測定に熟練する必要がありそうです。
ま、とりあえず、「 POPS 」で、光学設計する時には、主鏡を「 円錐係数0 」の放物面鏡と入力してよさそうですね。 一歩前進!
コメント
コメント一覧 (2)
何せ50cmですから、測定誤差を考慮しても分解能0.3秒は優にあるでしょう。
パーフェクトな20cm級の倍の解像力ですから、限界はシーイング様の機嫌次第(゜ロ゜;
そういう意味では、光学系を変更して分解能が多少落ちても口径の暴力で無問題ですね(゜ロ゜;
以上、釈迦に説法でした笑
uwakinabokura
がしました
50cmクラスの解像力が発揮できるシーイングに行きあたったことはまだ数回しかありませんが、そのうちの一回↓
https://blogs.yahoo.co.jp/jzd01063/30522532.html
そして通常モードでは、自然に集光力に期待した運用になります。
uwakinabokura
がしました