先週は、副鏡の修正量を測定していましたが、その時に目指す副鏡の修正量が、主鏡が完全な放物面と仮定しての値でした。しかし、良く考えてみたら、主鏡が過修正なら副鏡はその分負修正にする、といった具合にトータルで考えなければいけなかったので、主鏡の修正量も測定しておく必要があります。
50cm鏡は、シーイングが落ち着いた時の惑星の見え方が物凄いことになるので、ほぼ完璧なミラーだとは思うんですが・・・・・。


これは、ナイフエッジを奥から手前へ移動して行ったときの面の様子です。中央部の焦点距離が短く、周辺部が長いのがわかりますね。「 505mmF4.4の放物面鏡 」では、鏡中央と周辺の焦点距離の差が「 12.84mm 」になればよいはずです。上の画像だけでは修正量がわからないので、今日は50cm主鏡のゾーンテストをおこないます。
今回は「 ゾーンプレート 」を使ってみます。昔のテレビの懐かしいやつみたいな形のです(笑)。

さて、今回は測定対象が50cm用なので、プレートも結構大きいものが必要です。段ボールで作ることにしました。


段ボールの切れ端を「 コンパス 」にして同心円を描き、窓の部分を切り取ります。窓を切り取ると少しフニャフニャになったので、補強もして・・・と。


ちなみに、このプレートを作るのに1時間半くらいかかりました(笑)。さあ、これを50cm鏡の上に載せてゾーンテストをおこないます!


ナイフエッジを前後に移動させながら、ゾーンごとの焦点距離を測定し、エッジの移動量をフーコーテスターのバー二ヤ(ノギスみたいなやつ)で読み取って、鏡面の修正量を判断することになります。


目的としているゾーンが左右で同じ濃さの影になったポイントを見るのですが、これが結構難しい・・・・特に真ん中のゾーンは一番難しく、なかなか「 ここかな? 」というポイントに自信がもてないです。
で、結果は・・・・・


( 青森のKimuhiroさんの「 鏡面研磨支援ソフト 」を使用 )

見事なまでに、「 505mmF4.4の放物面鏡 」の理論値に近い値が出ました!・・・とは言うものの、計算された鏡面精度は、1/5.3λ程度。正直、この鏡がこの程度のはずはないです。

これはたぶん、当方の測定精度の問題でしょうね。というのも、各ゾーンの「 見切り 」がなかなか難しく、ヒューマンエラーの影響が大きいのです(笑)。ゾーンプレートの窓から鏡面の限られた部分を見るより、全体が見える「 ピンテスト 」のほうが良かったかも知れないですね。

さらに、フーコーテスターのバーニヤの最小読み取り値が0.1mmなので、理論値で示されているような、小数点第2位まで計測できないんですね。もっと高精度のテスターを作って、自分自身も測定に熟練する必要がありそうです。

ま、とりあえず、「 POPS 」で、光学設計する時には、主鏡を「 円錐係数0 」の放物面鏡と入力してよさそうですね。 一歩前進!