原村星まつり会場の一段目駐車場は「 観望エリア 」となっていて、一般の方に望遠鏡を見ていただく場所になっています。
一番手前の赤いピラーは異常な作り込みで有名なKさんの双眼鏡架台、その奥はfk506さんのNINJA500、その向こうの黒いのがニックさんの50cm、紫のが自分の30cmです。
さて、原村星まつりの第一夜ですが、残念ながらほとんど曇っており、時折晴れ間がのぞく程度の天候でした。
にもかかわらず、多くの一般ギャラリーの方が訪れてくれたのですが、通常の望遠鏡である自分の30cmでは、せいぜい南の方角が晴れた時に木星や土星を見ていただくのが関の山。
しかし、こういう条件でもナイトビジョンでは
DSOの観望が可能なので、観望対象のバリエーションが多い
というメリットがあります。
( 50cm+ナイトビジョンによる観望 )
ハッブルオプティクスの50cmは自動導入機能がついているので、ニックさんが次々とメジャーなDSOを中心に導入してくれます。
その夜は晴れ間にかろうじて星が見える状態で、その晴れ間も薄雲っているのですが、ナイトビジョンによるHα観望はその悪条件をものともせず、HⅡ領域のディーテールを見せてくれ、のぞいた人からは次々と歓声が上がりました。
「こんなに見えるとは思わなかった!」
「・・・・えっ? ・・・・・いや、これは・・・・・・おう、・・・・いやいや」
「なにこれ、楽しーい」
等々、言葉に表せないものを何とか言葉に使用としているさまは、さながら
星空のグルメ・レポート!
実際に自分が応対した、おそらく素人? の若い女性が、M8干潟星雲を見ているとき
「 水素のガスが白っぽく雲みたいに見えているんですが、真ん中に黒い筋があって2つに分かれているのが見えるでしょ?」
「 あ、ほんとだ 」
「 暗黒帯って言います。それと、この天体は水素のガスと星団が重なっているので、白い雲みたいなのに星の集団が一緒に見えますよね? 」
「 あー、そうなっているんですね。よくわかります 」
・・・・・どうです?
従来ではDSOを素人の方に見せてこれだけの反応を引き出せたでしょうか?
ナイトビジョンが天文分野の普及にこれまでにない大きな力を持つだろうという、確信が持てた瞬間でもありました。
一般ギャラリーに好評と言えば、操作のしやすい、1倍&3倍システムも同様・・・・というか大人気!
こちらも薄雲を通して、北アメリカやペリカン、サドル付近の散光星雲等が楽々と見え、驚嘆の声が上がります。
また、少し詳しい人には、
「 白鳥当たりから始まって、銀河に沿っていて座の方まで行っちゃってください 」
と言って自分で振りまわしてもらうと、
「いやあ、M17、M16、M20、M8・・・・全部星図通りの位置に見えますね・・・当たり前か(笑)」
など、さすがのコメント。
時折視野内を流れる流星( 肉眼では見えない暗いのも見えるので、当然、流星の頻度が上がる )にも感嘆の声。
星を観望できた時間は限られてましたが、非常に大きな手ごたえを感じることができました。
***おまけ***
完全に曇っているときでも、1倍システムで空を見てみると、夜空にたくさんのコウモリが飛びまわっているのが見えます。人によってはこれにも大感動・・・・・実は、自分のナイトビジョン初見時にも一番印象深かったのはこれでした(笑)
コメント
コメント一覧 (18)
最終日朝、ご挨拶も出来ずに失礼してしまい申し訳ありませんでした。
これには理由が有って…これまでにもシベットさんにお話した事が有ると思いますがイベント最終日は日頃の行けない様な場所でかつて話題になった場所、事件現場などに訪れる事にしており今年は以前、民主党が政権を取った時「税金の無駄だから建設中止!」と話題になった“八ッ場ダム(ヤンバダム)”へ行く予定を立てていたのでした。
群馬の山奥で原村から凡そ200km。行きに4時間で往復8時間。現地滞在時間を1時間としても9時間ですからあの時間に原村を出立しないと当日宿を取っている飯田市到着が深夜になる恐れが有りました。
んな訳でまだシベットさんがお休み中に失礼した訳です。
本当はあともう一箇所“御巣鷹山”も予定してたのですが八ッ場ダムと正反対の位置に有り今回は断念、来年になりそうです。
で、シベットさんは無事に帰られましたか?
追伸…あのイメージインテンシファイアの画像…凄かったですね。特に網状はヤバかったです。
「欲しいか?」と問われれば「欲しい!」に決まってますが「無理ィ〜orz」と答えざるを得ません。
uwakinabokura
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いやいや、朝早く出られるのは毎年の奇怪遺産巡り、とこっちも想定内でしたので、気を使っていただかなくてもまるっきりOKです(笑)
あいかわらず、例年なかなかの道のりのようですね。
ちなみに自分も問題なく帰宅しております。ことしは淡路島経由で帰り、途中で名産の玉ねぎを買っております。
ナイトビジョン(イメージインテンシファイ)も体験していただけて何よりでした。
今後、日本各地の公共天文台にこそ設置されるべき機材と思ってますので、より多くの人の目に触れる機会が増えればいいですね。
(当方のブログの設定が悪く、Kさんの投稿者名がシベットになってしまってましたので勝手に「K」と変更させていただいております)
uwakinabokura
がしました
「イメージインテンシファイア」はちょっと古いネーミングでしたねー。
そうですか、現在は「ナイトビジョン」と呼ぶんですね。
そう、一般ギャラリーの方に見てもらうのは双眼装置、確かに不便ですね。私も来年は単眼で覗いてもらえる様にしないと。
でも本音としては双眼眼視の素晴らしさを体感してもらいたいんですが。
uwakinabokura
がしました
一般の方にも、できるだけ最高の状態で天体を見てもらいたいのですが、やっぱり使用にあたって長ったらしい説明が必要なもの(目幅を合わせるとか)は避けて、できるだけシンプルにしていくのが良いかなと、最近では思っています。
uwakinabokura
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コロナ旋風、真っ盛りの昨今、如何お過ごしでしょうか?
四国のコロナ情報はあまりメディアにも上がりませんがどうなんでしょう?
こちら愛知県名古屋は中々の猛威を奮っていまして罹患するしないは最早〝運のみ〟の情況を呈しております。
そんな情況では軒並み星関連のイベントも中止の憂き目になっています。
こうなると自宅で唯一の楽しみは来月末辺りから「明るくなるであろう」予測の〝ATLAS彗星大接近〟くらいしか楽しみが有りません。
しかし先週辺りに「核が崩壊した」との報告も有り肉眼彗星になるかは微妙な感じです。シベットさんの事だからもう既に眼視で捉えておられるかと思いますが。
コロナ…今の感じだと夏までに多少は収束傾向になるとは思いますが原村も開催されるか怪しい感じですね。
ピークアウトはまだ先かと思いますがシベットさんも何とか逃げ切って下さい。
uwakinabokura
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私なんぞはもう数十年来の喫煙者ですから若し仮に罹患すれば重篤化は免れ様ません…「止めよう」とは思ってるのですがなかなかorz
さてATLAS彗星ですがやっぱり望みは薄そうですね、残念ですが。
そうそう、話は変わりますがシベットさんはシリウスの伴星を見た事、有ります?
ここ近年は主星と伴星の離角も大きく「見やすい」などと言われてますが今冬、気流の落ち着いた時に何度かトライしましたが…未だ見られず。
物の本に拠れば〝10㎝アポでも見える〟てな事が書いて有り「なぁんだ、なら20㎝で楽勝」と思い覗くも…
リゲルなんかは呆気無いくらい簡単に分離出来るのですが。
あとこの前、ネットで〝トラペジウム以外の明るい四つ以外の星の分離と確認〟てのを見て今度の冬にでもトライしてみようと思ってます。
勿論コロナを予見していた訳では有りませんがこんな有事の際に自宅の屋上は誰にも迷惑を掛けずに趣味に没頭出来る事は幸いでした。
これからいつまでこの情況が続くのか分かりませんがお互い何とか乗り切りましょう。
uwakinabokura
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そうなんです、最近〝分離限界二重星〟に嵌ってるんですよ。
勿論「分解能は口径に比例する」って事は分かってるんではなっから無理目の対象は見てません。
なんて言うかなぁ、他の方が私の持っている望遠鏡より小口径で「分離出来た!」って言うのを聞くと「何で自分ので分離出来ないの?」とチョイ腹立たしい感じが無きにしも有らず(小っちぇ〜)
でシリウス伴星なんですが見えなかったのは「倍率が低すぎたのが最大の理由らしい事」が何となく分かって来て…
そこでシベットさん所有の3.5㎜に白羽の矢を建てたって訳です。
聞けば「200倍程度ではとてもとても」らしく最低でも「300倍以上」は必要らしいとの事。
でアイピース も「バロー光学系の入らない「オルソ系で」らしいです。
簡単に分離出来て色の対比も美しい二重星も良いのですが意外と早く飽きて毎回「見よう」とは思いません。やっぱり「おっ今夜は見えた!」「クゥ〜今夜は駄目か!」とあれやこれや〝見るための方策を考える」のはなかなか楽しいです。
uwakinabokura
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今夜名古屋は天気が良いので手持ちの双眼鏡(Canon IS 12×36)で探してみたのですがイメージは確認出来ずでした。
肉眼彗星は既に望むべくも有りませんが少なくとも〝7等〟くらいにはなってるとは思うので12×36で見えない事はないと思うのですが。
uwakinabokura
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ハッブルが核、分裂を撮影してましたがあんな瞬間を肉眼彗星になった最大光度の時に起こって欲しいもんです。
まっ、気を取り直して次を待ちたいと思う今日この頃。
uwakinabokura
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uwakinabokura
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昨今の状況を鑑みるにどうやら来年の原村星祭り開催も怪しくなっちゃいましたね。
仮に開催されても噂では〝出店ブースも殆ど無くなる〟ってアナウンスされてるみたいで開催どころか星祭りの存続すら怪しくなって来ました。
まぁ「来年の事を言うと鬼が笑う」なんて言いますのでここは静観でしょう。
閑話休題-1
最近スマホを買い替えました。使ってたSEのバッテリーがお亡くなりになり仕方無く。
世間の尻馬に乗ってアップルの12miniにしたのですがこれが凄い。普通に星が写ります。
勿論肉眼でも見えるM42ですがこのスマホ、3秒ほどの露出で肉眼で見るより明るく写ります。しかもスマホにありがちな粗さが無いのです。
これなら暗いとこ行けば確実に天の川も写るでしょう。
いやぁ驚きました、最近のスマホ。
閑話休題-2
さて来たる22日、木星と土星が月の直径の2割くらいまで近づくとの事。どうせなら「食になってくれ」とも思いましたが贅沢は言うまい。
兎に角150倍ほどで同一視野内に見えるってのが素敵。是非とも見たい現象です。
ただかなり低空での現象なので西南西方面が開けている場所を探しに来週中にもロケハンです。
閑話休題-3
さて今年もやって来ました〝シリウスの伴星眼視トライ〟と〝トラペジウムの限界等級眼視〟…シベットさんも是非。
長々と失礼しました。またお会い出来るのを楽しみに。コロナ、インフルにお気を付けて。
uwakinabokura
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恐らく主催者側も開催当初の思惑と言うか趣旨から「乖離して来てる」と感じてるのかもしれませんね。
全国に色々な星祭りが有りますが星空イベント自体、曲がり角に来ているのかもしれません。これは参加させてもらってる私達も考えなくてはいけない事なのかもしれません…反省。
そう、スマホ…侮れません。手持ちでも防振機能が働き3秒くらいなら星が普通に写せます、これには驚きました。
22日の木星、土星の接近の折りにはアイピースにかざして撮ってみたいと思います。
何か楽勝に100倍程度の倍率内の視野に収まるらしいじゃないですか。この時、裸眼では〝肉眼二重星〟の様でしょうね、恐らく。
次回の接近は60年後らしいですが私らは絶対見られないので何とか見たいものです。
uwakinabokura
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